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Vol.25179 現場からの医療改革推進協議会第二十回シンポジウム 抄録から(1)

医療ガバナンス学会 (2025年10月1日 08:00)


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2025年10月1日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

現場からの医療改革推進協議会第二十回シンポジウム

11月1日(土)

【開会のご挨拶】13:00~13:10

●林 良造   武蔵野大学国際総合研究所 フェロー・客員教授、東京大学公共政策大学院研究ニコット アドバイザー

現場からの医療改革推進協議会2025

「現場からの医療改革推進協議会」が第20回を迎える。振り返ると20年前の福島県立大野病院事件では、一人で県下の周産期医療を支えていた医師が業務上過失致死の疑いで逮捕され、全国の産婦人科医が立ち上がった。以来、多くの問題がこの場で提起されてきた。新型コロナ下における医療崩壊、薬害とドラッグラグの相克、革新的医療を生み出す場としての問題、研究不正、データ保護と利活用、多数の小規模病院で分散浪費される若手勤務医のエネルギー、など数え切れない。その中であるものは解決され、あるものは未解決で残され、あるものは形を変えて現れてきている。

一国の医療は、現場で医療に向き合う人、それを現場であるいは背後で支える人たち、病と闘う武器を研開発し提供する人たち、さらには直接間接に制度設計にかかわる人など多くの種類の人に支えられている。それらの人々は向上心を持ち、競争心を持っている。そしてその中には使命感に燃えた医療従事者、邪心を持った参加者そして多くの普通の社会人がいる。そのような人々が目の前の状況に対応しながら、総体としてより良い制度へとつながるような仕組みが求められている。
世界中で国民を満足させているといえる完全な制度を持っている国はないが、少しでも良い制度へと動かしていくことはできる。そのために特に重要な点は、常に他国と比較し向上心を持つこと、新たな技術がもたらす機会や現場で発見されたゆがみがあれば、制度設計側と現場がオープンに向き合い、制度の改革に結びつけることだと思っている。

さて現状を見ると、国際標準に比べ少ない医師、しわ寄せを受ける医療現場、空回りする善意、治験の時間・コストを左右する大規模医療供給機関の不足、一向に進まないPopulation Health、膨らみ続ける国民医療費など問題山積みである。古い現状を維持する出来高払いの入院費や薬価体系などの診療報酬制度はじめ、内向きで目先のゼロサムゲーム的利害調整に追われる硬直的な体制のもと、気が付けば世界標準とかけ離れた医療供給体制を作り上げてしまっているのではないだろうか。

今まで大きすぎるがゆえに、手が付けられず膨らみ続けたこれらの問題について、医療にかかわる人々が、現在の制度で与えられている守備範囲を超えて医療全体に責任を持つ立場で徹底的に議論することを期待したい。

 

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