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Vol.25203 現場からの医療改革推進協議会第二十回シンポジウム 抄録から(14)

医療ガバナンス学会 (2025年10月24日 08:00)


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2025年10月24日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

現場からの医療改革推進協議会第二十回シンポジウム

11月2日(日)

【Session 14】 人材育成 17:00 – 18:00 (司会:上 昌広)

●松井 章奎 国際空手道連盟 極真会館 館長

社会活動としての空手道

故・大山倍達総裁の遺志を継ぎ、30年以上にわたり全世界の極真会館の活動とその運営を取り仕切り、総裁から受け継いだ武道哲学を後進に伝えている。社会体育としての空手道の普及・発展・社会的地位の向上を目指して東奔西走の日々を送っている。
● 東京大学大学院法学政治学研究科、国際空手道連盟極真会館門下生

孝を原点として他を益する

私は、学校弁護士を志す法科大学院生です。振り返ると、学校には良い思い出が多い一方で、教師には複雑な感情を抱いてきました。教条的に考えを押し付け、異議を唱えたら、「君だけに構っている暇はない」と言い放つ。「生徒と向き合う時間」以上に、教師として大事なものがあるのか、未だに分かりません。高校生のときには、身近な存在がいじめの犠牲になりました。それがきっかけで、進むべき方向性を決めました。
他方で、いわゆる「学校」以外に、多くの学び舎があったことも幸運でした。恩師とも呼ぶべき方々にも恵まれました。ひとえに目の前の生徒のために専門的知識はもちろん情熱や実行力を尽くすことが、教師の本懐だと心得ている先生たちでした。なかでも横山禎徳先生や上昌広先生には、そうした「プロフェッショナル」としての姿勢を教わりました。師を超えることは到底できませんが、せめて、いただいた学恩は生徒に返すものだと思い、教壇に立っています。
今回ご登壇いただく松井章奎館長率いる国際空手道連盟極真会館も、私のルーツの一つです。極真の精神である「孝を原点として他を益する」ことは、私の生きる指針でもあります。2024年11月、他団体の大会で、不適切な運営によりジュニア選手が負傷するという悲劇が起きました。その際、松井館長はいち早く声明を発表し、本来あるべき武道精神を示されました。阿部清文師範には、二項対立を超えた「統合」の思想を教わりました。このような精神性を、組手のうちに活かす「実戦」性と、日々の暮らしで体現する「実践」性を、我々門下生は常に問われているのです。
結びに、第20回記念シンポジウムにあたり、ご多忙のなかご登壇いただきました松井章奎館長、このような素晴らしい機会をいただきました上昌広先生、これまで我々の活動にご理解いただき、本シンポジウムの開催にあたり多大なるご支援ご協力を賜りました多くの皆様方に、衷心より感謝申し上げます。

 

●新井 良亮 公益社団法人日本鉄道広告協会会長、IT tower TOKYO合同会社 社長・CEO
●鎌田 由美子 ONE・GLOCAL代表取締役・地域デザイナー、多摩大学大学院客員教授
●佐藤 大吾 武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 教授、42Tokyo 副理事長兼事務局長

正解のない時代を生きる人材教育

現在、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部教授として、またフランス発のエンジニアリングスクール「42Tokyo」の副理事長として、人材教育に携わっている。両者に共通するのは、従来の教育システムにとらわれない、新しい学びの場をつくることに重点を置いている点である。
武蔵野大学アントレプレナーシップ学部は、起業家教育を専門とする日本で唯一の学部として2021年に開設された。ここでは学生が自らの関心や社会課題をテーマにプロジェクトを立ち上げ、仲間と協働しながら実践的に学ぶことを重視している。ビジネスプランを机上で考えるだけでなく、実際に行動に移し、失敗も含めて経験から学ぶことが教育の中心である。その過程で学生は「自ら考え、動き、仲間とともに挑戦する力」を養うことができる。
一方、42 Tokyoはフランスで生まれた世界最大級のエンジニアリングスクールの日本校であり、学費無料、学歴不問、24時間365日オープン、教員不在で学生同士が学び合う「ピアラーニング」など、非常にユニークな仕組みを持っている。学生は課題解決を通じて互いに教え合い、単なるプログラミング技術にとどまらず、協働力や自己学習力を磨いていく。世界で活躍できるエンジニアを育成することを目的としつつ、同時に「学びのあり方の革新」に挑戦している。
私はこれまで、NPO法人ドットジェイピーを通じて大学生に議員事務所やNPOでのインターンシップ機会を提供し、4万5千人を超える学生の成長に関わってきた。この経験から、人材教育において最も重要なのは「自律性」と「協働性」を兼ね備えることであると考えている。正解のない時代に必要とされるのは、知識を受け取る姿勢ではなく、自ら問いを立て、仲間とともに挑戦し続ける姿勢である。本シンポジウムでは、こうした実践の知見をもとに未来の人材教育の方向性について議論を深めたい。

※パネルディスカッション形式

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