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Vol.181 医療にも社会イノベーターを!「命を守る国家」確立へ

医療ガバナンス学会 (2011年6月2日 06:00)


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今回の内容はロハスメディカル4月20日号に掲載されています

医療現場危機打開・再建国会議員連盟幹事長
文部科学副大臣 鈴木寛
2011年6月2日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp


■まず、東北関東大震災で被災された方々に心からお見舞申し上げますとともに、亡くなられた方に心よりお悔やみ申し上げます。救援に御尽力された医療関係者の皆様には深く敬意を表します。

■ 今回の震災では食料、物資、情報、すべての流通が滞り、医療機関におけるライフラインや薬剤、人材の確保も困難を極めました。また直接の被害を受けなかっ た首都圏でも、計画停電や交通機関の麻痺により混乱が生じ、人工呼吸器が外せない方や、定期通院が欠かせない方は、特に大きな不安を抱かれたことでしょ う。

■こうした震災医療を含め、長期的かつ国全体の体制として、日本の医療のあり方が問われています。

■ 例えば、これまで65歳以上人口に照らして不足が指摘されてきた医療者数を、対死亡者数で見たとき、このまま単純に医療者数を2倍にしても到底足りないこ とが推算されています。また、整備が進んでいる在宅医療も、医師や看護師の移動に時間を取られて効率が低く、限界があります。

■そこで医療者の増員は必須ですが、一方、ゆくゆくは高齢人口とともに医療の需要が減少に転じるのも明らかです。そのときに医療者が行き場を失うようでは困ります。

■要するに、将来あるべき医療は、現在の提供体制の延長線上には成立しません。未来からの視点で組み立てなおさねばなりません。医療界にも、変革を先導する「社会イノベーター」たる人材が求められているのです。

■ 問題解決に向け、応えるべきは海外からの熱い視線でしょう。昨年7月には、私もサウジアラビアからの患者受け入れをお手伝いさせていただきました。今後は これを次の段階に進め、日本の進んだ医療技術や、医療者育成、病院経営等のノウハウを提供していくことが切望されています。中国や他のアラブ諸国からも具 体的な要請が来ています。

■ 震災では、各国の医療チームが日本に支援を申し出ました。それも、これまで日本が医療分野で国際社会に貢献してきたからこそ。日本は今、「命を守る国家」 としてアイデンティティを確立するときです。そうして世界各国とウィン=ウィンの関係を築くことで、医療資源を確保し、もって国民の健康に資する道を切り 開くのです。

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