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Vol.209 南相馬市立総合病院の現状と問題点

医療ガバナンス学会 (2011年7月7日 06:00)


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南相馬市立総合病院 院長
金澤幸夫
2011年7月7日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp


6/20に入院規制が緩和されて以来、南相馬市立総合病院では徐々に入院患者数が増えてきております。現在28名の患者さんが入院しています。6月の手術 症例は8件となりました。入院規制の緩和については、多くの方々のご協力をいただきました。本当にありがとうございます。感謝申し上げます。

震災後4名に減った常勤医師でしたが、7月より整形外科の三澤辰也先生および小児科の高野恵先生が常勤医師として仲間に加わりました。東京大学医科学研究 所の坪倉正治先生をはじめ、6名の非常勤医師も診療にあたっております。しかしながらまだまだ医師数は足りておりません。変わらぬご支援を賜ることが出来 ればと思います。

急性期病床の入院規制は緩和されたものの、慢性期病床が非常に少ない状況が続いております。震災前、南相馬市には約260床程度の慢性期病床がありました が、現在は鹿島厚生病院の40床のみしか入院が許可されていません。特別養護老人ホームも約200床中の50床程度しか入所が認められておりません。 30km圏内の緊急時避難準備地域においては、現在も老人保健施設の入所は認められておりません。実際に入院された患者さんの中で長期の医療が必要になる 方のケアが滞っております。

Whole body counterについては、鳥取県のご厚意によりお借りすることが出来、6/29に当院に到着しました。北海道がんセンター院長の西尾正道先生がアドバイ ザーに就任してくださり、7/7に相馬郡の医療者を対象に講演会を行っていただく予定です。器械の測定習熟のため、既に当院で勤務しているスタッフの内部 被ばく線量の検査を開始しております。近日中に住民の方々の内部被ばくの検査を開始する予定です。

南相馬市は、桜井市長のリーダーシップにて徐々にではありますが、医療再生、街の再生に向けて一丸となって進んでおります。今後とも変わらぬご支援賜りますようどうぞよろしくお願い致します。

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