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vol 1 すずかん通信「周産期医療再建!」

医療ガバナンス学会 (2009年1月19日 09:57)


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■□ 現場の声をもっと聞くべきです □■

鈴木寛(通称すずかん)


昨今、周産期医療の崩壊による痛ましい出来事が相次いで報道されています。

去る10月4日、脳出血で倒れた妊婦の方が都立墨東病院で当直産科医の不足か
らすぐには受け入れられませんでした。なかなか搬送先が決まらず、最終的に同
院で出産しましたが3日後に亡くなられました。その11日前にも多摩地区で同様
のケースが発生、意識不明の重体となりました。

受け入れできなかった病院はどちらも「総合母子周産期医療センター」に指定
されている、産科医療の”最後の砦”。墨東病院は埼玉県や千葉県の産科救急も
受け入れていますが、実は平成18年の12月から、医師不足で産科外来の休止が続
いていました。平成20年2月には地元3区の医師会などが東京都病院経営本部に
改善要求を行うも、回答は得られませんでした。


春には産科医の収入増を図りましたが、2年以上問題解決できずにいた東京都
の責任は重大です。他の都立病院でも産科閉鎖が続発。全国的な産科医不足が背
景にあるとはいえ、東京での救急車現場滞在30分以上事案は13%、名古屋の5倍
です。都は、都立病院で働く医師の声を謙虚に受け止め反省・改善すべきです。

厚労省もやりっ放しです。「周産期医療ネットワーク」を推進しておきながら、
総合母子周産期医療センターの常勤医師数や超過勤務実態の把握すら怠っていま
した。学会に指摘されていた母体救急の体制整備も、省内の縦割り行政のはざま
で手つかずでした。

今回、厚労省が慌てて示した政策も、思いつきや受け狙いと言わざるを得ませ
ん。IT情報システム強化など聞こえはよいものの、運用する人材増なしには現
場負担が増すばかりです。お産の保険適用も、実質産科収入が減る分娩施設の閉
院・縮小を助長してしまうでしょう。

目指すべきは、母体・新生児の数時間を越える受け入れ不能をなくし、受け入
れまでの平均時間を1分でも短縮すること。現場が必要としているのは情報シス
テムの高度化よりも、行政の責任で人的運用体制を充実させることです。

民主党でも周産期医療再建ワーキングチームを立ち上げ、私が座長を務めさせ
ていただいています。現場の医師、助産師や妊婦の皆様、ぜひご意見をお聞かせ
ください。


著者紹介
鈴木寛(通称すずかん)
現場からの医療改革推進協議会事務総長、
中央大学公共政策研究科客員教授、参議院議員
1964年生まれ。慶應義塾大学SFC環境情報学部助教授などを経て、現職。
教育や医療など社会サービスに関する公共政策の構築がライフワーク。

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