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Vol.264 ボランティアベースから、平時につながる医療支援ルール策定へ!

医療ガバナンス学会 (2011年9月8日 16:00)


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今回の内容はロハスメディカル7月20日号に掲載されています

医療現場危機打開・再建国会議員連盟幹事長
文部科学副大臣 鈴木寛

2011年9月8日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp


前々回こちらのコラムで、大学間相互支援ネットワークを活かした東日本大震災の被災地への医療物資・人材の調達が実現したことをご紹介しました。しかし震災から4カ月、求められるものが変わりつつあります。

震災直後の混沌とした状況では、ボランティアベースでの迅速な医療支援が被災者の方々の健康維持に貢献してきました。全国の大学病院等から医師や看護師ら がローテーションで現地に入り、無償で医療を提供してくださっています。さらに福島原発からの放射性物質の影響を心配する近隣地域へも、放射線測定や万が 一の被爆者受け入れのために、大学病院が協力して対応しています。

とはいえ、非常措置である現在の体制を今後ずっと維持することはできません。現地の医療機関の通常業務再開も図っていかねばなりません。今後は複数機関の 協力が重要です。その際、診療報酬の問題だけでなく、例えば医療過誤などが発生した場合の責任の所在も、検討課題のひとつです。被災地における長期的支援 のあり方を改めて見直し、平時につながる医療提供体制の再構築が必要です。

岩手県では、震災直後に立ち上げたいわて災害医療支援ネットワークセンターが全国からの支援医師を県内の拠点病院に割り振り、そこから各避難所へ医師が派遣されています。派遣医らが各病院のスタッフとして働くことで、通常の診療体制を基本とした仕組みができています。

東北大では被災地の保健衛生システム復興に向けて、地域保健支援センターを設置し、県や自治体との協力の下、住民の保健ニーズ等の調査やサービス提供を提言しています。

これを参考に、まずは管轄省庁の枠を超えた支援・被支援の共通ルールが必要です。ひとたび確立できれば、恒常的に医師不足の地域でも準用が可能です。現に 支援を得ている被災地であればこそ、地域医療計画策定者である知事と地元の公立病院長、人材派遣の鍵を握る大学病院長が足並みを揃えて取り組めば、仕組み づくりは難しいことではありません。私も是非お手伝いさせていただければと思います。

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