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Vol.334 難病患者に対して必要なホームヘルプサービスの提供について(要望書)

医療ガバナンス学会 (2011年12月7日 06:00)


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多発性嚢胞腎患者
佐藤香織 (現在福島県から東京都へ避難中)
2011年12月7日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp


私は平成23年9月7日、千代田区へ『難病患者等ホームヘルパー派遣申請書』を提出しています。これに対して、私の身の回りにボランティアなど世話をする 人がいる等を理由に、ヘルパーは必要ないと判定、翌月10月24日に千代田区長名で、派遣の申請内容が半減となって決定されました。
この判定理由はまったくもって理解できず、質問その他等に対する回答を求める要望書を区長宛てに、11月2日付で提出しました。

●病状不安定だから入院
申請が一ヶ月放置されていて電話でやりとりの際、区の職員から、「千代田区では認定されるのは『病状安定者』のみ。あなたはこの2週間、病状不安定で、入 院の人は認められない。」との対応がありました。一職員が判断することなのかと疑問に思い、窓口へ行って担当職員に問いただしました。職員は何度も「心配 してそう思った。」をくり返していましたが、最後にはようやく、「それは医療のことで、医師が判断すること。誤解させて申し訳なかった。」と認めました。 職員達は知りながら理由のひとつに上げていたのでした。

●例規集って?
その後電話にてサービス要綱のコピーを希望すると、「千代田区例規集」からの検索を指示されました。ホームページ内は複雑で検索できず、職員に尋ねると、「私だって開いたことないからわからない」。

●たらい回しの末
要望書を担当職員に提出時、「現在上司は不在。次回から必ずアポイントを取るように。区長は議会中。これは区長宛てなので、今は回答できるかできないか返答しかねる。」とたらい回しの末、帰されました。

千代田区ルールに驚いています。(後日、職員指示の’最大限は2回/週まで’も要綱外と知りました。)

=====
第1号
2011年(平成23年)11月2日(水)
千代田区長 石川 雅巳様

難病患者に対して必要なホームヘルプサービスの提供について(要望書)

第1.要望の趣旨
先月10月28日(金)、平成23年10月24日付け『難病患者等ホームヘルパー派遣決定通知書』を滞在先で受け取りました。1週間あたりの派遣回数が、2回から1回に半減となって決定されました。
つきましては下記事項について、11月4日(金)午後までに、書面にて、回答をお願いいたします。

第2.申請から決定までの経緯
・9月7日(水)、貴区生活福祉課担当職員が訪問調査時に、貴職員からの提案により、『難病患者等ホームヘルパー派遣申請書(2回/週、1時間/回)』を提出。
・9月12日(月)、担当職員より電話があり、「医師の診断書が届いたので手続きに入る。」とのこと。
・10月4日(火)、進捗状況確認のため担当職員へ電話すると、「書類は早かったが事業所が見つからず判定に出せない。」等とのこと。
・10月5日(水)、貴課へ電話して、代理の職員へ早く決定してほしい理由等を伝えた。
・10月7日(金)、再度電話して、代理職員より、「懸念点が三つある。」等の説明を受けた。翌週に進捗状況の連絡を希望した。
・10月11日(火)、貴課へ、付き添い者と訪れた。担当職員より、「ネックは、予算と、都で難病の研修を受けたヘルパーがいる事業所探し。」等の説明を受けた。
・10月19日(水)、担当職員より電話があり、「ホームヘルパー派遣が決定された。1週間あたりの派遣回数は1回。」とのことだった。その後電話をして、「『決定通知書』は翌週中に郵送する。」とのことだった。
・10月25日(火)、担当職員より電話があり、「第一回目のホームヘルパー派遣日に、ヘルパーと一緒に『決定通知書』を持参します。」
・10月28日(金)、担当職員がヘルパーと一緒に『決定通知書』を持参し、第一回サービスを受けた。

第3.質問事項
1.『決定通知書』記載の「2.派遣内容等」について
『千代田区難病患者等ホームヘルプサービス事業運営要綱』第3条に、「サービスの内容」が記載されているが、担当職員が訪問調査時に説明は全く無く、申請後に身体介護と家事支援を知った。なぜか。

2.「事業者等」について
貴区では、誰が事業所を選べることになっているか。『要綱』には明記されておらず(第4条等)、申請者及び利用者が選ぶことができるのではないか。できないならなぜか。

3.事業者一覧表について
『要綱』第5条3に、「区長は、申請者が当該指定を行うのに必要な事業者等の名称、所在地等の情報をあらかじめ申請者に提供するものとする。」とあるが、事前に提供されなかった。なぜか。

4.「決定」の仕方について
10月5日(水)の電話にて、サービスの緊急性、必要性を伝えた後、代理職員より新たな懸念点の説明を受けた。『要綱』第6条に「派遣の必要性を十分判断し、遅滞なく…」とあるがそうではなかった。なぜか。

5.都の難病の研修を受けたヘルパーがいる事業所について
10月11日(火)、担当職員より説明を受けたが、『要綱』 「ホームヘルパーの要件等」第12条に、研修について明記されていない。政府(国)より難病の要研修について聞いていない。なぜ研修が要件か。

6.『決定通知書』記載の「2(3)一週間あたりの派遣回数」について
9月7日(水)、訪問調査時に、担当職員からの提案により、「最大限の2回/週、1時間/回」を申請した。10月19日(水)、担当職員より電話があり、「1週間あたりの派遣回数は1回。」と、半減されていた。それはなぜか。

7.「派遣の決定」の仕方について
『千代田区難病患者等ホームヘルプサービス事業取扱要領』第7条2に、「派遣回数及び派遣時間を決定するときは、…総合的に勘案して決定するものとし、」 とあるが、担当職員より決定前に、何の確認等もなく決定された。貴区にとって「勘案する」とは、どのように対応することか。

8.『要綱』の記載内容について
10月19日(水)、担当職員より電話にて、ホームヘルパー派遣決定のお知らせがあった。「教会にお世話をしてくれる人がいて安心した。そういう人がいる こと、週一回ボランティアを利用していることから、申請時の半分の、週一回、1時間で判定された。」とのことだった。私から「要綱のどこに記載されている か。」と問うと、「要綱はあくまでも概略。書かれていないことも条件とする。身近にボランティアがいるなら、ヘルパーは必要ないと判定。これは千代田区だ けではない。」等の返答があった。「『要綱』とは、地方公共団体が行政指導の際の準則として定める内部的規範。」と聞いている。貴区においては、『要綱』 とは概略か。

9.今回の決定について
10月24日(月)貴係長より電話にて、最大限の考慮等の説明があった。『要綱』「目的」第1条に、「日常生活を営むのに必要なホームヘルプサービスを提 供することにより、難病患者等の福祉の増進を図ることを目的とする。」とある。派遣回数が半減では、日常生活を営むのに困難である。早急に、「1週間あた りの派遣回数は2回。」を求める。

10.『決定通知書』記載の「2(5)派遣内容 *別紙援助計画表のとおり」の「援助計画表」を求める。

11.9月7日(水)訪問調査時の、「申請書」コピーと、私の医師からの「診断書」コピーを求める。

12.担当職員2名に名刺を希望した時、「無い」とのことだった。お二人の所属名と姓名を教えていただきたい。

13.担当職員2名の対応について
10月11日(火)貴課にて面談時、「コロっと治って。」「コロっと良くなって。」等と言われた。この言葉は不適切ではないか。たびたびの電話のやりとり、面談時に不快な思いをした。次回から改善していただきたい。

14.その他、『要領』「関係機関との連携」について
第15条(1)に、「保健医療関係機関等との連携を図り…」とあるが、誰が連携を図るのか。

15.結語
今後の手続きにおいて、私と同一の病態にある他の難病患者等との均衡を失しないよう、貴区生活福祉課に対し、早急な対応を求める。

以上

<参考資料>
1.千代田区例規集

http://www.city.chiyoda.lg.jp/service/00005/d0000597.html

2.千代田区例規集 >第2 要綱 >第36編 福祉・健康
「千代田区難病患者等ホームヘルプサービス事業運営要綱」

https://www3.e-reikinet.jp/cgi-bin/chiyoda/D1W_resdata.exe?PROCID=-976884156&CALLTYPE=1&RESNO=247&UKEY=1318385676911

(利用対象者)第2条 (3) 在宅での療養が可能な程度に病状が安定していると医師によって判断される者
3.「千代田区難病患者等ホームヘルプサービス事業取扱要領」

https://www3.e-reikinet.jp/cgi-bin/chiyoda/D1W_resdata.exe?PROCID=-976884156&CALLTYPE=1&RESNO=248&UKEY=1318387468978

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