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Vol.378 刑事罰で医療を縛ると国民の犠牲が増える~新型インフルエンザのパブリックコメント~

医療ガバナンス学会 (2012年1月23日 16:00)


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東京大学医科学研究所
村重  直子
2012年1月23日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp


新型インフルエンザなど、未知の新感染症に関するパブリックコメントを、国が募集しています。締め切りは1月31日です。

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=060011701&Mode=0

下記は、私が提出した意見です。皆様にもご一考いただけますと幸いです。
=====
・国は、パブリックコメントを実施する際、国民が当該案件の全容を理解するに足る十分な情報、すなわち、すべての条文案を公開すべきである。

・国が医療をコントロールする手法は、災害救助法や武力攻撃事態対処法等を参考にしていると思われるが、新型インフルエンザ等新感染症の対策においては、そのような手法は不適当である。

・新型インフルエンザ等新感染症の対策における国の責務は、国民(ヒト)を規制することよりも、むしろ必要な物資(モノ)及び情報を確保し、それを国民へ迅速に供給することにある。

・ワクチン確保を迅速かつ確実なものとするため、国内マーケットのみにおいて開発している脆弱なメーカーのみに頼るのではなく、グローバルマーケットにおいて開発しているメーカーからも入手する体制を整えてリスク分散する必要がある。

・ワクチンを迅速かつ確実に国民へ供給する方策を、新型インフルエンザ等新感染症の発生前から国民に周知しておくべきである。

・「V 2.(3) 医療関係者への医療従事の要請・指示及びこれらに伴う措置、臨時の医療施設の開設及び特例」及び「VI 1. 物資の保管命令に従わなかった者等への罰則。」を削除すべきである。国の責務は、医療関係者の臨機応変な判断を阻害し行動を規制することではなく、国が発表する新型インフルエンザ等新感染症に関する情報に基づき、医療関係者がその専門性を生かした判断及び行動が可能となるよう、十分な情報開示を迅速に行うことである。罰則(刑事罰)を担保にして医療や物資をコントロールする手法や、補償と引き換えに医療従事させる手法をとるべきではない。新型インフルエンザ等新感染症による被害を受けたすべての医療関係者に対し補償すべきである。

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