医療ガバナンス学会 (2012年4月6日 06:00)
全国保険医団体連合会「日本の薬価問題プロジェクト2011」委員
小薮 幹夫(大阪府保険医協会事務局)
2012年4月6日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp
○ わが国では、患者負担増など需要要因にもとづく露骨な医療費抑制政策がとられた結果、「病人になれない患者」が増えている。一方、継続的な薬価引下げをしてきたにも関わらず、薬剤費は高騰し約10兆円にも達している。
○ 日本でよく使われている薬剤77品目の相対薬価(倍率)は、英国、フランスと比較して約2倍、ドイツと比較して約1.3倍であり、市場規模の大きい薬剤ほど2.2~2.3倍と高く、依然として日本の薬価水準が国際的に高いことが判明した。
○ 医薬品製造業の過去10年間の売上高営業利益率は、多額の研究開発費、販売管理費等を控除してもなお、全製造業平均の3倍近い異例の高水準を安定して 記録している。高収益構造を反映して財務上は異常なまでの内部留保も存在する。同じ医療保険財源に依拠しながら、医薬品業だけが高収益を享受している実態 は決して看過できない。
○ 保団連は日本の医療費を対GDPで11%までOECD平均並みに引き上げることを提起している。こうした医療費の総枠拡大と同時に、医療費配分の最大 の矛盾、高すぎる医薬品や医療機器の価格をせめて欧米並みに是正すべきだ。とりわけ薬価そのものの決定メカニズムについて、抜本的改善を図るべきだ。
○ 例えば「後発品のない先発薬」の薬価を一律2割カットしただけでも、約1兆円を捻出することが可能。
1. 医療費高騰の分析視点―需要側要因から供給側要因へ
近年、わが国政権は高騰する医療費を抑制するためとして、保険料、窓口負担の引上げ、平均在院日数の短縮など受診抑制策を実行してきた。こうした需要側要因にもとづく露骨な医療費抑制策がとられる一方、医療供給サイドの要因に着目し検討した研究はほとんどない。
調剤医療費の変動要因を処方せん枚数と一枚当たりの調剤医療費(単価)に分解して対前年度比を調べると、近年の傾向として、一枚当たりの単価の伸びが調剤医療費を押し上げる要因になっていることがわかる。
巷間、診療報酬引き上げの財源確保のために薬剤費を削減してきたといわれる中で、処方せん一枚当たりの薬剤費がこのように高騰し続けている実態は、医療費 高騰の要因がいわゆる”薬づけ診療”では説明できないこと、むしろ新薬の薬価そのものの決定メカニズムに大きな問題があることを明示している(参照1)。
元厚労省担当者が薬価交渉を指南―薬価算定の実態と不透明性
2009年12月から2011年3月までに新規収載された71品目をカテゴライズすると、類似の既収載薬がある新医薬品45のうち類似薬効比較方式 (II)が採用されたのは1品目、その他はすべて類似薬効比較方式(I)が適用され、その29.5%にあたる13品目では有用性加算により、既収載薬より 5%~25%の価格引上げがなされている。この加算率は製薬業界の要望に沿って、継続的に引上げられている。また、4品目で外国価格調整の適用により、価 格の引上げが図られる一方、引下げはなかった。
これら加算率の刻みをどのように決定するのかは、審査する厚労省担当者の裁量に委ねられている。元厚労省薬価審査責任者が某企業のセミナーで「当局との薬 価取得交渉~薬価の算定基準・予測と当局の考える『値ごろ感』」というテーマで講演している。その要旨に「(新薬の)薬価算定については、算定ルールが公 表されているものの、比較対照薬の選定、加算の有無および加算率の選定など、いくつかの点で交渉する余地が残されている。これらへの対応を最近の薬価算定 の実際を踏まえて考察する」とある(参照2)。新薬の”値づけ”の妥当性について、疑義を抱かれても仕方ないだろう。
2. 日本の薬価水準と製薬大手一人勝ちの実態
販売上位薬剤の薬価水準は依然として高い
2010年の市場規模(メーカー出荷額)上位100位までの薬剤で、米国、ドイツ、フランス、英国のうち3か国以上の国で薬価が判明した薬剤77品目を対 象とした。各国の薬価は最新の薬価表(参照3)にもとづき、薬局購入価格(日本の薬局購入価格は2種類で推定)と、最終患者価格の3種類を円に換算し、海 外の薬価に対する日本の相対薬価を求め、幾何平均値で比較した。
その結果、日本の薬価は、英国、フランスと比較して約2倍、ドイツと比較して約1.3倍であり、市場規模の大きい薬剤では、2.2~2.3倍と相対薬価(倍率)がより大きかった。薬効別では、抗うつ剤(SSRI)、降圧剤(ARB)の薬価がとくに高かった。
米国における薬局購入価格の実態の不明確さ(薬局価格・最終患者価格推定の困難性、一部に極端な高価な薬剤があること、自由価格制のもとでの価格維持と上 昇など)を考慮したとしても、今回の調査結果(対米相対薬価0.75倍)から、米国の薬価の方が日本より高いと推察された。
他の薬価国際比較との関連では、英国保健省調査結果(参照4)(13か国の比較)による2008年の相対薬価は、保団連調査結果に近似し、今回の薬局価格 と最終患者価格の中間的な値であった(ただし、日本との比較はない)。なお、日本のみ薬局マージンを含まない薬価基準価格そのもので比較した倍率では、対 4か国倍率の幾何平均で2を超えるものは77薬剤中、6薬剤であったが、薬局価格では12薬剤、患者価格では10薬剤であった。購買力平価を用いた比較で も、英、仏、独より高く、米国より安価であるという点については基本的な違いはなかった。
一貫して製造業平均の3倍の高収益―景気変動とは無縁
医薬品製造業(以下、医薬品業)の過去10年間(2001年3月期から2010年3月期まで)の総合的収益性(総資本経常利益率・ROA)をみると、全産 業平均及び製造業平均と比較した場合、医薬品業は、2001年から2010年の間にほぼ11~12%で推移している。全産業では、ほぼ2~4%であり、ま た製造業平均も2~6%で推移している。医薬品業の総合的収益性は全産業平均の3倍前後を記録し、2010年3月期には5倍を超えている。
医薬品業と全製造業平均の利益率の格差をもたらした究極の要因は、売上高総利益率(粗利益率)の格差にあると考えられる(参照5)。事実、医薬品業では過 去10年間には58%から66%の幅で推移し、全製造業平均の17%から21%のほぼ3倍の水準を記録している。さらに、東証上場の医薬品業のこの期間の 売上高総利益率の平均値は、67%から71%という異例な水準を記録している。
売上高で業界トップの武田薬品工業の過去10年間の売上高営業利益率は27%から43%の幅で推移している。売上高原価率は24%から41%の幅で推移し ている。このため売上高総利益率は70%を超える高率となっている。これまで比較的高い収益を得ていたトヨタ自動車など自動車製造業が2008年秋のリー マンショックや2011年のタイの洪水によって業績が低迷している一方、医薬品業は景気変動に左右されず他産業と比べても価格競争は極めて限定的で、需要 の停滞がなく高収益構造を維持している。
武田一社の内部留保だけで消費税1%分
さらに医薬品業の財務内容を見ると、総資産に対する各項目の割合では、金融資産(有価証券+投資その他の資産)が総資産の60%にまで達している。負債 は、約2割で少ない。利益の留保部分である利益剰余金は8割を占めており、非常に多い。この利益剰余金から負債を相殺しても6割以上が内部留保(狭義)と して残ることになる。武田薬品工業の2010年度の利益剰余金は、消費税1%にほぼ相当する2兆2721億円に達している。株主から出資された資本金 635億円の36倍もの利益剰余金が蓄積され、株主には毎期1000億円もの配当が行なわれている。株主資本分は、とっくに株主に返還済みといえる。これ は医薬品卸業者や医療機関への高値での医薬品販売からの利益の蓄積によって形成されているものである。
利益の内部留保が蓄積されることによって、長期安定性を示す自己資本比率は非常に高くなっている。全産業では35%から41%、製造業では46%から 51%であるのに対して、医薬品業のそれは68%から78%である。医薬品業は全産業の約2倍、製造業の1.5倍の自己資本比率を有している。収益性が高 いことによって、利益剰余金が増える。このため負債比率が低くほぼ30%であり、全産業の約150%、製造業の約100%よりも大幅に低い。それだけ借入 や社債発行をしなくても経営ができることを示している。
武田薬品工業の自己資本比率は80%から83%であるのに対して、医薬品業のそれは70%から74%である。ほぼ10ポイント高く、製薬業界の中でも際 立った安定性が保たれている。大手5社(武田薬品工業、大塚HD、第一三共、アステラス製薬、エーザイ)平均では64%、準大手10社平均では77.2% と高い。後発品6社平均では47.2%で、前者に比べて低くなっている。このことは大手5社や準大手10社の利益の内部留保を示す利益剰余金(とりわけ任 意積立金)が増大したことによる。なお、医薬品業に対しては、研究開発費の損金処理以外にも、研究開発税制として約600億円の特別な減税措置も取られて いる(参照6)。
一方、同じ医療保険財源に依拠している医薬品卸や医療機関の経営環境は、悪化の一途である。10年度の各企業の決算でも大手製薬企業26社の経常利益率は 18.4%であるのに対して、医薬品卸業連合会加盟92社のそれは0.63%と過去最低水準まで落ち込んでいる。医療機関経営においても、医科診療所の経 営指標である損益差額(可処分所得ではない)は、落ち込みが顕著になっている(参照7)。
3. 患者が支払い可能な薬価か
お金の切れ目が薬(命)の切れ目
長引く経済不況の中で、「患者になれない病人」が多くいることが報告されている。とりわけ、高い薬価の医薬品を使用せざるを得ない癌、糖尿病、リウマチな どの疾患では、患者負担が深刻であると想定される(参照8)。まさに、「お金の切れ目が薬(命)の切れ目」であり、患者が希望する医薬品を経済的事情で使 えない実態がある。
国民皆保険制度の下で、国民は等しく医療を受ける権利があるにも関わらず、必ずしも安心して薬物療法が継続できない状況にある。この要因は、1)国際的に見てもわが国の一部負担率が高いこと、2)医薬品(とくに新薬群)の薬価が高いこと―に求められる。
薬価下げても膨張する薬剤費―約10兆円に
日本では、ほぼ2年ごとに、市場の実勢価格を参考にして薬価が引き下げられているが、それにもかかわらず医療費(参照9)に占める薬剤比率(参照10) は、30%前後と高い水準が続いている(参照11)。2009年は、前年より4.2%も増え、33.2%と一気に30%を突破した。2010年も 33.0%と3割台が定着してきた。2010年の総薬剤費は、DPCなど包括医療に係る部分を勘案して推計すると9.8兆円に達している(参照12)。
厚生労働省は、1990年前半の薬剤比率約3割が1999年には19.9%と最低を記録しその後は20%前後で推移しているとするなど、長期にわたり実態 より低い値を用いてきた(参照13)。製薬関連団体は、このデータを根拠に薬価引下げに強く抵抗してきた。しかし、1990年前半から1999年にかけて 急速に低下してきたという薬剤比率には、調剤薬局で調剤された薬剤費(薬局調剤分の薬剤費)を含んでいない。薬局調剤分の薬剤費を含めば、2001年にお いても、すでに26.3%(8.2兆円)になることが判明し、これが2010年では既述のように33.0%(医科分)、薬剤比率が低い歯科医療や包括医療 を包含しても総医療費の26.8%を占有している。
総薬剤費の約半分は新薬群
薬価収載品目の出荷額シェア(2009 年)によると、薬価収載銘柄では全体の13.2%の「後発品のない先発品」(新薬群)は、総薬剤費の47.8%も占めている(参照14)。後発品が発売さ れても引き続き先発品の売上は維持されている。この傾向は少なくとも95年薬価調査から現在まで継続している。
4. 薬剤費削減は喫緊の国民的課題
製薬業界は景気変動に左右されず他産業と比べても価格競争は極めて限定的で、需要の停滞がない高収入・高収益構造を維持している。コンピューター・電機など知識・技術集約型産業における比較でもその収益性は群を抜いている(参照15)。
さらに2010年薬価改定から試行実施された「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」(新薬加算)は、その目的とされたドラッグ・ラグの解消にただちにつな がらないばかりか、税制など様々な優遇策と相まって現在でも十分に高い製薬企業の収益性をさらに伸長し徒に医療費の高騰につながる可能性が高い。そもそも 日本のGDPに占める総医療費の比率が先進諸外国に比べて低い中で、薬剤費総額の約半分を消費している新薬群の薬価水準が依然として高いことが今回の調査 で明確になった(参照16)。医療技術料が厳しく抑制されてきた一方で、モノの評価、とりわけ薬剤費が”聖域”として膨張してきた。これが医療費配分の最 大の問題となってきている。
医療機関や医薬品卸とは桁違いの製薬企業の高収益の最大の源泉が新薬の高薬価構造であることは自明である。企業の収益性を否定するものではないが、製薬企業は、人間の生命に関わる
商品(医薬品)を製造販売する点で、自動車や電気・コンピューター産業とは大きく異なる。国民皆保険制度の下、国内売上の8~9割(参照17)を公費、保険料、患者負担からなる公的医療費財源に求めている以上、製薬企業には高い公共性、公益性がある。
公的医療費財源を国民のために有効に使うためには、国際的に高い新薬群の薬価を中心に大幅に下げること、及び製薬企業の高い収益性を適正化する方策を講じ ることが必要である。ドイツなどEU諸国は薬剤費抑制、とりわけ新薬の薬価については患者が支払い可能な金額に引下げる方向に大きく舵を切っている。
医療費削減政策のもと地域医療崩壊に直面しているわが国において、今こそ恒常的な高薬剤費構造を抜本的に見直すことは喫緊の国民的課題といえる。そして生 み出された財源を、患者負担の軽減や診療報酬の引き上げ、難病患者等の希少薬の開発などの原資とすべきである。政府が以下の財源提言を断行するよう提言す る。
(1)高薬価維持制度である「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」(「新薬加算」)を即時撤廃すること
【理由】
1)「新薬加算」で高薬価が維持されるための財源は、結果的には保険者と患者に依存することになる。「ドラッグ・ラグ」解消のためのインセンティブの費用を患者負担と保険者に依存することは正しいことではない。国の予算と責任において、位置づけるべきだ。
2)「新薬加算」を得るために製薬企業や卸売業者は、平均乖離率の範囲内で医療機関や保険薬局に販売することが条件となっている。このことは公正取引委員会も認める、医薬品流通における自由な経済取引を阻害することにつながる。
3)「新薬加算」のみで「ドラッグ・ラグ問題」が解決できるものではない。当面、過重な患者負担にならない方向でのコンパッショネートユース(参照18)の導入など、総合的な議論と検討によって対応すべきである。
4)「新薬加算」が恒久化されるならば、薬剤費がさらに膨張することは確実で、結果的にわが国の医療費高騰を助長するものとなる。後発品の使用促進策の一方で、新薬の薬価を現在以上に高止まりさせることになり、政策的整合性を欠く。
(2)後発品のない先発品(約4.7兆円)の薬価を大幅に引下げること
【理由】
1)新薬の薬価収載にあたっては、研究開発費など真の「原価」を明らかにした上で、後発品が上市される(平均12.4年(参照19))までに投資した開発 費が回収できる新たなルール化をつくるべきである。開発コストの回収期間として後発品が販売されるまでの期間は合理的である。
2)万一、その時点においても開発コストの回収ができていない場合は、それを立証できるデータにもとづき、薬価保障期間の延長などの措置を検討する。
※加重平均で2割引下げた場合の財源効果は約0.94兆円
(3)公正で透明な薬価制度改革を実施すること
新薬の薬価決定システムの主な問題点について記述した。
1)類似薬効比較方式の問題点
どんな「新薬」でも比較対象となる既存類似薬の1日薬価より最低でも5%アップになる仕組み。中央社会保険医療協議会で大きな問題となったトレリーフ(大日本住友)のように、同一成分でありながら効能効果が変わっただけで既収載品薬価の113倍になる例もある。
また、類似薬効比較方式と関連して、新薬承認時に採用されている「非劣性試験」の是非についても検討が必要である。
2)「規格間調整」と「外国平均薬価調整」ルールの問題点
「外国平均価格調整」ルールで引下げられた例もあるが(参照20)、外国調整によって算定薬価より引き上げとなった品目については、個々について詳細に検討が求められる。
わが国では「規格間調整(参照21)」と「外国平均薬価調整」の両方が薬価算定時に加味されることから、矛盾も生れている(参照22)。
3)「原価計算方式」の問題点
近年、「原価計算方式」方式で算定された新薬は近年増加の一途である(参照23)。薬価算定において「原価計算方式」は、類似薬のない新薬に適用される。 この方式は、製品製造原価だけでなく研究開発費などの投資部分や予め営業利益等を含めて薬価とする方式であり、電気料金などと同じく総括原価方式で算定さ れる。
製薬業界の高い営業利益をベンチマークにしているため、薬価が高止まりする仕組みになっている(参照24)。各コストの詳細は、企業秘密として明らかにさ れていないが、前提となる予想市場規模を過小に見積もれば、恣意的に高い薬価を申請することができる。例えばオ―ファンドラッグ(希少疾病用医薬品)のほ とんどはこの原価計算方式で算定されるが、高い薬価が設定された後に効能を大幅に拡大して市場を占有し大きな収益をあげる源泉となっている。
4)配合剤ラッシュ問題
循環器領域や糖尿病領域など用量調節が常に求められている薬剤の配合剤ラッシュは、患者コンプライアンスの向上という利点はあるにせよ、副作用の面で大きな問題がある。海外でも配合剤は販売されているが、日本ほど処方量は多くない。
謝辞
本提言の作成にあたり、醍醐聰東京大学名誉教授やプロジェクトの各委員から資料提供、助言をいただいた。深く感謝の意を表する。
「薬価の国際比較調査にもとづく医療保険財源提案」「薬価の国際比較―2010年薬価の比較調査報告書」「関連図表」http://hodanren.doc-net.or.jp/news/tyousa/111219yakka2.pdf
≪参照≫
1. 「医療保険財政・薬価制度 医薬品製造業の収益構造」(「會計」2011年7月号、醍醐聰東京大学名誉教授)、醍醐名誉教授の講演レジュメ
2. https://www.meducation.jp/seminar/regist?id=10493
3. 英・BNF:British National Formulary 仏・ViDAL 独・Rote Liste 米・Red Book Pharmacy’s Fundamental Reference
4. Health Department. The Pharmaceutical Price Regulation Scheme. Tenth Report to Parliament:
http://www.dh.gov.uk/prod_consum_dh/groups/dh_digitalassets/@dh/@en/@ps/@sta/@perf/documents/digitalasset/dh_113578.pdf
5. 「医療保険財政・薬価制度 医薬品製造業の収益構造」
6. 行政刷新会議「事業仕分け」(2009年11月11日)
7. 2011年医療経済実態調査
8. 例えば、慢性骨髄性白血病に用いられるグリベック錠の28日薬価は461,832円(1日600mg使用、2012年3月現在)。3割負担金額は138,550円
9. 本分析では、厚生労働省「概算医療費データベース」(各年度版)を使用した。「概算医療費」は、医療費の動向を迅速に把握することを目的として、審 査支払機関における算定ベースの医療保険および公費負担医療の診療報酬等を集計したもの。「国民医療費」に含まれるはり・きゅう、全額自費による支払い、 労働者災害補償保険、国家公務員災害補償法等による医療費は含まない。
10. 社会医療診療行為別調査結果(医科・調剤、各年6月審査分)
11. 英独仏の薬価表では、薬局の購入価格に、一定の薬局マージンを上乗せした価格、すなわち、基本的に患者の手元に渡る価格で薬価が表示されている。 薬局マージン(公定マージン2%、または実勢マージン8.4%)と調剤技術料を加算した額が、外国における薬局マージンに相当する
12. 概算医療費データベース、社会医療診療行為別調査結果(医科・歯科・調剤)、社会保障審議会医療保険部会(2011年10月12日)資料4、厚労省とのやりとりからDPCなど包括病棟における医療費・薬剤費を勘案して算出
13. 現在においても、たとえば 第46 回 社会保障審議会医療保険部会(2011年10月12日) において、2008年度の薬剤比率について、委員の求めにより包括医療費(約6.9兆円)の薬剤費を推計した値を加算したとして21.2%から23.6% に修正提示した
14. 2009年9月調査(2010年12月15日、中医協薬価専門部会)
15. 「知識・技術集約型産業の収益性比較」(日本投資政策銀行「産業別財務データハンドブック」各年版)
16. 製薬企業の販売戦略は薬価の高い「新薬」に重点が置かれ、結果的に医師の処方動向は新薬に移行する。この「製薬企業による新薬シフト」が薬剤比率を高止まりさせている要因のひとつである
17. 「平成24年版日本医薬品企業要覧 製薬企業編」、「有価証券報告書 武田薬品2011.3」他
18. 命を脅かす疾患や強度の衰弱をもたらす疾患などで治療手段が他になく、臨床試験への参加もできない患者に、未承認薬へのアクセスを可能にする公的な制度.現在、米国、EU、韓国では一定のルールのもとに患者が未承認薬を購入できる仕組みがある
19. 「論点案に関する専門委員意見」(中央社会保険医療協議会薬価専門部会、2009年9月18日)
20. 2000年8月以降に薬価収載された新薬のうち外国価格調整がされたものは76品目。そのうち外国薬価より引上げられたのが25品目(最低 0.4%:レミニール内用液 106.9円⇒107.3円、最高293.5%:セロクエル錠100mg 50.8円⇒199.9円)、引下げられたのが51品目(最低▲0.9%:ラミクタール錠100mg 269.8円⇒267.4円、最高▲48.2%:デュロテップパッチ2.5mg 6999.7円⇒3626.5円)
21. 有効成分が2倍になっても必ずしも製造コストが2倍にならないことから、規格が2倍になっても薬価は1.5倍するというルール.海外では有効成分の含有量が異なってもほとんど薬価差を設けていない事例が多いのが実情(フラットプライス)
22. 典型例は高脂血症治療薬のクレストール。クレストールは2.5mg、5.0mg、10.0mgの3規格を上市しようとしたが、規格間調整と外国平 均薬価調整によって、10mg製剤の薬価が折り合わず(規格間調整では335.0円のところ外国調整が入ると193.0円となる)、実際には2.5mgと 5mg錠のみが発売された。10mg錠が発売されなかったことから、臨床上1日10mgが必要な患者は5mg錠を2錠(薬価にして339.6円)服用せざ るを得なくなり、規格間調整だけの335.0円よりも高くなるという矛盾を露呈した。これは海外でのフラットプライスが影響していると言われている
23. 2010 年度新規収載成分総数52に対する、原価計算方式での成分数の割合は36.5 %
24. 「医療保険財政・薬価制度 医薬品製造業の収益構造」