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Vol.461  「相馬市立磯部小学校 修・卒業証書授与式」での挨拶

医療ガバナンス学会 (2012年4月11日 06:00)


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この記事は相馬市長立谷秀清メールマガジン 2012/03/30号 No.268 より転載です。

福島県相馬市長
立谷 秀清
2012年4月11日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp


●平成23年度相馬市立磯部小学校 修・卒業証書授与式
平成24年3月23日 同校多目的ホール

お祝いの言葉を申し上げさせていただきます。
まず、大変な一年でしたけれども、その中で今日無事に卒業を迎える17名の皆さん、本当におめでとう。一年間、よく頑張ってくれたと思います。
そしてまた、一年生から五年生までの諸君たちも、よくこの一年間頑張ってくれました。皆さんの進級もあわせてお祝い申し上げたいと思います。

先程、卒業証書を受け取る時の親御さんたちの表情を見させていただきましたが、今年の卒業については、特に、お父さん、お母さん、そして子供さんが一緒に なって頑張った結果だと思います。皆さんのほっとしたようなお顔を拝見しておりまして、その分大変だったんだなと思いました。おめでとうございました。ご同慶の至りでございます。
それから、江口校長先生をはじめ教職員の皆さんも大変な状況の中で一年間よく頑張っていただいたと思っております。先生方のご労苦に対し敬意と感謝を申し上げたいと思います。

さて、いうまでもなく震災に振り回された一年だったと思います。この磯部小学校の子供さんたちがこの学校を守ったんですね。磯部の皆さんの多くが、はまな す館に避難されておりました。最初私は、はまなす館にいる子供さんたちは、遠くの磯部まで通わせるよりも、すぐ近くの中村第一小学校に通わせたほうがいいのではないかと考えたのですが、「やっぱり自分たちの学校がいい」「磯部小学校で勉強したい」と決めたのは子供さんたちだったのです。ですから、このよう な非常に苦しい状況の中で、「磯部小学校に行って勉強したいんだ」という子供さんたちの気持ちを最優先に考えなくてはならないと思いました。

その次に考えたことは、しからば、この磯部小学校の体育館を避難所としてここで生活してもらいながら、学校で勉強してもらおうかと考えました。しかしなが ら、皆さんは津波が起きたあの晩のことを思い出したくない、だからここでは生活したくないとのことでした。これはPTSDの一つのパターンだと思いますが、したがってこの際はそのような子供さんたちの思いを尊重しなくてはならないと考え、スクールバスで通わせることを選択いたしました。その基本的な考え 方は今でも変わっておりません。
今、仮設住宅にいらっしゃると思いますが、仮設住宅という離れた地域にあっても、やっぱり皆さんには通い慣れたこのふるさと磯部の小学校で勉強してもらいたいと思っております。

これから市当局といたしましては、復興に向かって色々な作業をしていかなければなりません。しかしその際、私が磯部小学校の皆さんを通して勉強させていただいたことは、「ふるさとはふるさとである」「ふるさとに勝る地域はない」ということです。
ここに来る途中、芹谷地や大浜などを通ってまいりました。津波によってこれほどまでに破壊されてしまいましたが、それでも皆さんにとってここはふるさとなのです。

市といたしましては、高台のできるだけ安全な地域に新しい磯部の集落を作ってまいりたい、そして磯部の方々にはこの磯部にまとまってこれからもふるさとを大切にしていっていただきたい。そのふるさとの担い手になるのは、今日卒業する皆さん、そして今日この会場にいる一年生から五年生までの皆さん、磯部地区 の将来を担う子供達であろうと思っております。
子供たちが20年後30年後、やっぱりここが自分のふるさとである、自分たちはここで育ったんだ、この小学校を卒業したんだということを誇りに思ってくれるような地域を創るために、我々は頑張っていかなければならないと思っております。

今日は、私自身、大変勉強させていただきました。相馬市も、磯部も、子供さんたちも、みんな一体であります。
ですから、市といたしましては皆さんたちと一緒になって力一杯復興に向けて頑張ってまいりたいと思っております。
市もそうですし、磯部の地域もそうですが、どうか卒業される17名の皆さんの将来が希望に満ちたものでありますように、洋々たる前途を祝福いたしまして私の祝辞といたします。

本日は誠におめでとうございました。

※本内容は、重複した言葉遣いや表現などを整理した上で作成しています。
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