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Vol.468 欧州債務危機を受け、国民皆保険の維持が「一体改革」の本質です。

医療ガバナンス学会 (2012年4月25日 06:00)


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今回の内容はロハスメディカル2月20日号に掲載されています

医療現場危機打開・再建国会議員連盟幹事長
民主党政策調査会副会長 鈴木寛
2012年4月25日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp


1月、「社会保障と税の一体改革」素案が閣議決定されました。ですが、メディアで取り沙汰されるのは、2012年4月に8%、15年10月に10%へと、 段階的な引き上げが明記された消費税の話題ばかり。「世界的な政府債務危機の中にあって、従来の医療提供体制を維持していけるか、維持すべきか」という肝 心な問いが、政局問題の前にかき消されていないでしょうか。

日本は、質の高い医療を、所得に関わらず等しく国民に提供してきました。高齢化でかさむ一方の医療費は、国家財政再建の上で幾度も槍玉に上げられ、小泉政 権時代には社会保障費を毎年2200億円縮小する政策がとられました。しかしそれも政権交代後に撤回。10年ぶりに診療報酬をプラス改定に転じ、医療費国 庫負担も政権交代前には9兆円であったのを10.2兆円に増やし、病院収入はアップ。その結果、医療人材の確保が可能となっています。

ところが、欧州に広がった債務危機が、公債収入に大きく依存した日本の社会保障制度に改めて警鐘を鳴らしています。

国債に頼らない財源確保のため、一体改革素案には、議員定数削減と公務員給与カットも盛り込まれています。しかしそれぞれ50億円、数千億円の歳出削減が 見込める程度で、毎年約1兆円増えている社会保障費を賄うなど、到底無理な話です。公共事業費はすでに3割カットし、これ以上の削減は困難ですし、埋蔵金 の切り崩しもこの3年間で20兆円を超えて、搾り出しきった感があります。

経済のグローバル化で法人税や資産課税を世界基準から大きくかけ離れさせることもできません。所得税は労働人口の高齢化で減収が続きます。消費税の議論は避けて通れないのです。

税で支える公的医療保険が弱体化すると、高所得層を除き「寿命の長短も所得しだい」という米国社会の後を追う可能性も出てきます。それは困る、公的保険を維持すべきと言うなら、皆さんの協力が不可欠です。

原発問題では、千年に一度のリスクへの管理が問われました。国債危機は決して対岸の火事ではありません。

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