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Vol.534 内部被曝通信 福島・浜通りから~検査体制を役立てるために共有すること

医療ガバナンス学会 (2012年7月3日 06:00)


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この原稿は朝日新聞の医療サイト「アピタル」より転載です。
www.asahi.com/apital/

南相馬市立総合病院
非常勤内科医  坪倉 正治
2012年7月3日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp


南相馬市の渡辺病院では、この7月から市の検診としてのWBC検査が始まります。日立アロカ社製の7トン近く遮蔽のある椅子型ホールボディーカウンター(WBC)です。

市立病院でも、この秋頃にファストスキャンがもう一台導入される予定であり、今年中に南相馬市では3台のWBCが運用される予定となります。まだ検査した くても出来なかったり、予約が取れなかったり、フォローの検査予約が入れられなかったりと多くの方々にご迷惑をかけている状況です。

検査台数が増えることで、そのようなことが改善されて行けばと思っています。

新しい器械の運用が開始されるのに併せて、情報交換や意見交換を行いました。医師会の先生、渡辺病院の担当者、市の担当者、市立病院の担当者が出席し、計 測の難しい小さい子供の検査について、検出限界について、外来について、情報共有をどのように行うか、など様々なことが話し合われました。

まず気になったのは検出限界のことでした。

検査する方の体格によってどれくらい精度がぶれるのか(小さい子供を計った場合に、どの程度の信頼性がある結果が得られるのか)、どのようなスペクトルの 場合に検出を失敗するのかなど、いくつかクリアして行くべき問題点がありますが、同じ2分間の計測でおおよそ同程度の検出限界で検査可能なことがわかりま した(正直なところ、全然性能が異なる器械では無いことがわかりほっとしています)。

この件でも早野先生に大変お世話になっています。本当にいつもありがとうございます。

検査前の問診票や、検査の仕方、結果の通知の方法など、共有すべき部分の確認も行いました。情報共有のためには、市立病院で今まで使用していたカルテの番 号がうまく使えず、もう一度IDを作り直さないと行けないという話があったり、フォローの検査を円滑に行い、継続的に検査を続けるには、今のデータベース だとうまく機能しないという問題があったりと、いくつか超えるべき壁があります。それでも、みんな一丸となってやっていこうという雰囲気の話し合いであっ たように感じます。

最終的には、ガラスバッジ検査や、甲状腺検査との協力体制をどうするかという話もでました。

個人情報の問題はもちろん配慮しなければなりませんが、「これは市の管轄です。これは市立病院管轄です。これは県の管轄です」といつまでも言っている訳にもいきません。トータルで健康を守って行くためにもしっかりした協力体制が出来上がってほしいと願っています。

今度渡辺病院で動き始めるWBCです。
写真はコチラから。
↓↓

https://aspara.asahi.com/blog/hamadori/entry/ynjhoFvj95

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