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Vol.137 スポーツで心身の健康と学びを創造する その2〜かけっこ教室 in 柏〜

医療ガバナンス学会 (2013年6月5日 06:00)


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Sun Light History 代表
細野 史晃
2013年6月5日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp


●コミュニティとしてのスポーツ
3月から始めた、柏でのかけっこ教室。
事の始まりは、仕事仲間であるSさんからの「娘の脚を速くしてくれないか?」という相談だ。
もともとかけっこ教室をやりたいと思っていた僕はSさんが地元を基盤に仕事を展開して行きたいという希望も理解していたので、教室として運営を一緒にして行きませんか?と提案しようと思っていた。
が、その話は向こうからやってきた。全く以て同じ事を考えていたのだ。
子ども向けの教室としてコミュニティが形成し、そこで仲間ができ、スポーツ以外の学びを取り入れることができるような、地域全体で子どもの成長を見守る、そんな空間を提供して行きたいのがSさんの思いだった。
前回の相馬高校への教室でも語ったが、スポーツというのは魔法のコミュニケーションであり、そこには必ずコミュニティが形成される。このコミュニティ形成 がスポーツを仕事として成り立たせる。そんなコミュニティをスポーツを通して作りたいというSさんの思いとスポーツを通した学びのある団体を作りたいと 思っていた私の意見が一致した。
実際に2回の教室運営を通してSさんや私と参加してくれたご家族との関係はしっかり築けており、コミュニティとして動く第一歩はできたのではないかと思っている。

●教わるのではなく、楽しみながら学ぶ
3月と4月とすでに2回開催している柏のかけっこ教室。対象年齢は5〜10歳前後としている。初回は6名、2回目は15名と大幅な人数アップ。
滑り出し順調な理由は3つ。

1.楽しみの中に学びと成長を実感できる指導
2.子ども達との心理的距離を限りなく近くする事
3.親の協力が得られている事。
である。

1)楽しみの中に学びと成長を実感できる指導
トレーニングはスキップやジャンプ、ダッシュといった誰でも出来る要素の中からより速く走る要素を体感できるような動きをさせることで「できない」という状態を極力減らし、能動的参加を促した。
しかし、初回ではタイム計測を50mで行ってしまい、5〜10歳の体力では辛かったようで記録向上はしなかった。またストライドを獲得させる動作をしたためスタートが遅くなってしまったのも大きな原因だった。
2回目はその点を改善し30mで記録測定、腿上げなどのストライド獲得の動作をせずに、倒れ込みながら走る事と、バネを使う事、そして重心移動をしやすくなる動作のみを練習に取り入れた。
結果はもちろん全員が0.2〜0.3秒のタイム向上が見られた。楽しんで、夢中になっているときが一番成果が高く、成長も著しい。それを実感でき、結果として表せている事が自信と今後のモチベーションにもなっている。

2)子ども達との心理的距離を限りなく近くする事
また子ども達に先生と呼ばせる事はしておらず心理的距離を近づけさせるためニックネームの【ほそやん】と呼ばせた。
反応としては「もっと走りたい!」「毎週やって〜」「なんでそんなに速いの?」「一緒に走ろうよ〜」など初回からかなり嬉しい声が聞けたのはよかった。

このような教室運営にしているのには理由がある。
・楽しみながら学ぶ時が脳が一番活性化されている
・スポーツ自体を生涯楽しんでもらいたいため、スポーツ=楽しいものと覚えてもらいたい
・楽しい空間にする事で円滑なコミュニケーションを促発させたい

挙げるとキリが無いが、この辺りを意識している。
従来はスポーツは体育としての要素が強く、「規律」「忍耐」「協調(同調)」といった楽しみの要素は少なく、ルールは守らなければならない、守らなければ 罰を与えられるなどの統制された空間で生きる術を身につけるための時間だった。このような空間では学びは能動的に行われない。
脳科学が進んだ今、「好きこそ物の上手なれ」という言葉の裏付けが出来ている。
子ども達に教えるのではなく講師も共に子どもと戯れながら「遊び」と「学び」の空間を作り、楽しいけど、気付いたら成長している!と思わせる事が出来る場と環境作りがとても大事だ。
この自由度の高い中でのトレーニングとコミュニケーションが競技力向上だけでなくコミュニケーション能力の向上にまで影響すると考えており、この教室を通して、子供たちの成長と、教室を拡大してスポーツと教育の価値を高めたいと思っている。

3)親の協力が得られている事
特にコミュニケーションにおいては、子どもの親も運営やトレーニングに参加しており、かなり親子間のコミュニケーションを促進できている感覚がある。
実際にかけっこ教室の空間を通して親子のより深いコミュニケーションの創出や家庭内でのコミュニケーションを増加させることが裏の目的としておいているのでかなりいい方向なのではないかと感じている。
もともとSさんの奥さんのネットワークを通じで人を集めているということもあり、親御さんがかなり好意的に動いてくれている事もとても大きいと思ってい る。こうした地域のつながりを基盤にスポーツビジネスを作って行く事が今後の活動のヒントになるのではないかと考えている。

以上の様にまだまだ発展途上ながら自身の目指した教室が固まりつつあることが非常に嬉しく、また今後のモチベーションにもなり、その結果さらに良い教室が運営できているというプラスの循環が生まれているのがとても楽しく、自信にもなっている。
こうした活動を継続していく事がスポーツの価値の向上につながり、教育の価値の向上にもなるのではないかと考えている。

■講師プロフィール
細野史晃(ほそやん)
小石川高校→埼玉大学教育学部→リクルートHRマーケティング(現リクルートジョブズ)→Sun Light History 代表
陸上競技歴15年、競技指導歴11年。大学在学中に教育とスポーツの世界の仕組み、そして社会の溝とを大きく感じ、近い未来、子ども達の未来に必ず悪い影響を与えるだろうと想い、教育とスポー ツを改革する事を心に決め、新たな価値を生むための修行の場としてリクルートの門を叩く。2年半の在籍後、体調を崩し療養、その後、スポーツの経験、指導 者としての経験、リクルートの経験を活かし、スポーツを通した人財育成事業を始める。現在の仕事はランニングクラブ、かけっこ教室の運営、パーソナルト レーナー事業個人・法人へのコーチング・コンサルティング事業を中心に活動中。

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