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Vol.231 いわき医療未来会議

医療ガバナンス学会 (2013年9月28日 06:00)


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いわき市医師会医療政策担当理事
島田 頼於奈
2013年9月28日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp


2013年1月より1~2か月毎に、福島県いわき市内にて「いわき未来会議」という市民会議が開催されています。私もいわき市医師会として参加させて頂い ております。参加者はいわき市内外を問わず、弁護士、企業家、住職、教員、お子さんを心配する父兄、市内のボランティア関係者、相双地区の避難住民等々多 岐にわたります。いわき市の今後の30年間を考え、何かを実行してゆこうという会です。医療に関しては「医療・介護・福祉」をひとまとめのテーマとして私 から第二回より挙げさせて頂きましたが、いわき市の医療は大変ひっ迫してきております。勤務医数に関しては、震災前の10年間で379名から283名へと 25%も減っていましたが、そこへ2011.3.11の震災が襲いました。そして人口の1割に当たる約3万人前後が避難等で流入し、人口急増により医療・ 介護・福祉の需要が高まってきております。特に、病院常勤医不足(救命救急、麻酔科、神経内科、皮フ科、膠原病内科等)が顕著で、平成22年医師・歯科医 師・薬剤師調査によれば、福島県の病院勤務医師数は112.6人/10万人で全国第41位、平成25年4月1日のいわき市の病院勤務医数は、県北の673 人、県中の572人に次ぐ264人ですが、人口10万人あたりでは80.4人と県北の140.6人や全国平均の141.3人の半分強しかおらず、人口が3 万人増加している事から考えても危機的状況といえ、救急車のスムーズな受け入れも難しく、地域内で治療が完結できないケースも増えてきています。

私は小さな眼科の一開業医ですが「医師として何か出来ないか。」との思いから日々試行錯誤しております。そのひとつがときわ会常磐病院の眼科開設です。勤 務医不足のいわき市ですが、眼科も例外ではなく、病院眼科常勤医は基幹2病院に各1名ずつしかおりません。緊急手術や夜間救急も難しく、非常時には約 70km離れた郡山市や90km離れた隣県の水戸市まで紹介しなければなりません。自院で夜間救急や緊急手術を行おうとすると、スタッフ確保や入院設備の 問題などから諦めざる負えませんでしたが、そこで着目したのが開業医による近隣病院のバックアップです。常磐病院に眼科はなく、一からの立上げは病院関係 者のご尽力があっての賜物ではございますが、これが成功すれば他科における勤務医不足解決の手助けになるものと考え、少しずつではありますが努力していき たいと考えています。また、いわき市は南北に60kmもあり広大で、さらに高齢化も進んできており、在宅診療もこれからの時代には必須と考え、眼科では珍 しく個人宅・施設を問わず往診を積極的に行っております。眼科は検査機器が多く往診が難しいと思われがちですが、最近では簡易な視力測定、眼底検査、眼圧 計測、持ち運び可能な視野計測機器などもあり、在宅で診療所と勝るとも劣らない検査も可能となってきております。その他、眼科のない山間部地区も多く、約 40km離れた滝根町というところに小さな内科診療所があり、月2回ではありますが眼科診療をさせて頂いております。眼科以外の活動では、いわき市が運営 している軽症患者向けの休日夜間診療所というものがあり、その診療に携わる内科・小児科医師も不足しているとの事で、微力ではございますが「遅咲きの超後 期研修医」と称して約10年ぶりに内科診療を勉強させて頂いているところです。

2013.8月からは「いわきの医療問題について市民と医療関係者の対話と共有も必要だ。」とも考え、いわきの医療の現状と未来について考える「いわき医 療未来会議」も立ち上げさせて頂きました。その中で様々な問題点が挙げられましたが、やはり将来の医療者の確保が必須であり、「街づくりは人づくりであ る。」との意見から、いわき市出身の医学部学生から将来医療を志す高校生も含め、いわきの医療の現状を知ってもらい将来故郷で活躍して頂ける機会を作ろう と、市内の医療機関や研修施設の見学会を企画する事となりました。また、医療従事者を中心に各方面で活躍されている方々を講師に、医療者となる動機ときっ かけづくりになればと、寺子屋形式の塾を開催する運びともなりました。

各方面の方々には何かとご協力をお願いすることもあるかとは思いますが、今後ともご指導の程、宜しくお願い申し上げます。

参考:「地域医療支援 福島県の医師の不足と減少」福島県立医科大学医学部整形外科学講座 http://www.fmu-orthop.org/

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