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Vol.260 現場からの医療改革推進協議会第八回シンポジウム 抄録から(8)

医療ガバナンス学会 (2013年10月22日 18:00)


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セッション8: ゲノムとIT
11月10日(日)13:15~14:15

*このシンポジウムの聴講をご希望の場合は事前申し込みが必要です。

2013年10月22日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp


ゲノムとIT
司会:鈴木寛
宮野悟
阿南愛
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●ヒトゲノム解読から10年、黒船来航から160年―日本は夢物語、米国では明日の問題
宮野 悟

生物のDNA情報を読み取る装置は一般にシークエンサーとよばれ、A, T, C, Gの文字で綴られるDNA情報(ヒトの場合30億文字の情報)をコンピュータで読めるように取り出すことをシークエンスとよんでいる。半導体チップで DNAを読む革新的なシークエンサーの実用化により、2013年には誰もが自分の全DNA情報を10万円で丸ごと手にいれられることが確実になった。数年 のうちには、1万円ゲノムの技術も実用化される。これまで主に生物や病気の「研究」のために行っていたシークエンス(研究費という少額のお金の空間)に対 し、がんや患者さんの全DNA情報をシークエンスし、臨床的に翻訳・解釈し、治療として「患者さんに戻す」臨床シークエンス(医療費という巨大なお金の空 間)の時代が始まる。健康・医療のビッグデータも誕生し、ビジネスが画策されている。
2013年、我々が東日本大震災で政策が混乱するなか、米国NIHは「明日の問題として」”Genomic Medicine Meeting”(個別化ゲノム医療の会議: http://www.genome.gov/27549225)を2011年6月29日に第1回を開催し、2013年1月28-29日に第4回を開催し ている。4回は医師の教育をテーマにしており、もうすぐ”Unifying US Efforts for Coordinating Genomic Medicine Implementation “と”Genomic Medicine is Global”の議論に入る。米国内の一致団結と、アジアがターゲットだ。2013年1月10には、米国NIH所長フランシス・コリンズは、”NIH and Big Data”のために今年Associate Director for Data Scienceを設置すると発表した。太平洋の向こうでは「未来はとっくにはじまっていた*」。この間、我が国では、iPSノーベル賞、京コンピュータ世 界一など、嬉しいニュースですこし心は癒された。黒船来航で日本は覚醒し、明治政府を作り近代国家を建設していったが、ヒトゲノム解読から10年、日本の ガラパゴス化はここでも進んでいるように私の目には写っている。

*フランシス・S・コリンズ著(矢野真千子訳)「遺伝子医療革命」の第1章のタイトル「未来はとっくにはじまっている」を改変。

●IT企業が提供する病気を防ぐための新習慣
阿南 愛

家庭で唾液をとるだけで気軽にできる体質チェックとして、2012年12月に一般消費者向け遺伝子検査キット「Genelife2012」を取り扱いはじめたヤフー。
世の中の反応やゲノムに対する期待とともに、IT企業ならではの予防医療の取り組みとして、センシングデバイスを利用したパーソナルヘルスレコード(特に歩数)のアプリサービスや、ヤフーならではのビッグデータを使った感染症流行予測などの取り組みをご紹介します。

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