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Vol.264 現場からの医療改革推進協議会第八回シンポジウム 抄録から(10)

医療ガバナンス学会 (2013年10月24日 18:00)


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セッション10: ミャンマーの医療と支援
11月10日(日)15:30~16:15

*このシンポジウムの聴講をご希望の場合は事前申し込みが必要です。

2013年10月24日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp


ミャンマーの医療と支援
服部匡志
宮澤保夫
小松健太*指定発言
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●東南アジアの眼科医療
服部 匡志

高校2年生の時、父親を胃がんで亡くしたことが医者を志す転機となった。それまでは文科系志望。京都府立医科大卒業後、外科を志望していたが眼科の木下教 授に出会い、その人柄に惚れて眼科の道に進む。京都、大阪、熊本、福岡、静岡の民間病院で研鑽を積み、網膜硝子体手術の分野、特に内視鏡を用いた硝子体手 術では世界のトップレベル技術を持つ。

2001年10月、母校の京都府立医科大学で開催された「臨床眼科学会」でベトナム人医師と出会い、患者の治療と眼科医の指導を懇願され、2002年4 月、ベトナムに渡る。以来、10年以上日本とベトナムを毎月往復し、治療した患者は1万人を数える。ベトナムに行った当初、医療資器材不足は否めず、助け られる人も助けられない現状を目の当たりにし、医療機器販売会社や政府などの組織に支援を要請するが、肩書もなく、個人の活動であったため、どこからも支 援を得られず、困ったあげく、数百万円の自腹を切って、眼内内視鏡や硝子体機器に必要な医療器具を買い揃える。ベトナムでは無給で、すべて手弁当で活動を 行っているために、定期的に帰国してスポット勤務医として生活費やベトナムでの資金を工面する二重生活が続いている。

現在、ベトナムの「赤ひげ先生」として、また「患者は肉親」を座右の銘に、ベトナムの貧しい人々に対し無償で治療を行うとともに、治療費が支払えない患者 さんに対して、自ら治療費を立て替えることもしばしば。ベトナム人医師に網膜硝子体手術の最新技術を伝えようと情熱を燃やす熱血医師として孤軍奮闘の日々 を送る。

この10年間で、自ら難症例の手術をするだけでなく、20名以上の網膜硝子体外科医師を育て、ハノイ、ホーチミンで医師が育ってくると、都市部だけでなく 地方での医療サービスの向上のためにハイフォン、フエなどのベトナム各地の医師の育成にも力を入れている。また、週末には貧困地域に行き、医療費が払えず 手術が受けられず失明している人々のために、無償の白内障手術を行い、光を取り戻す活動を続け、その数はこの11年間で1万人を超える。

将来の抱負はベトナムに高度な先進医療が行える施設を備えた病院を建設し、日本から技術移転を行うとともに、ベトナム以外のラオス・カンボジアなどの周辺各国からも医師を受け入れ、そこから育った医師が世界で活躍する日々が来るのを夢見ている。

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