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臨時 vol 152 「お近くの「専門医」にかかりましょう」

医療ガバナンス学会 (2009年7月1日 09:19)


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                   おその整形外科・於曽能正博
 病気やケガをした時、診療所ではなく直接病院に行かれる方は多いと思われま
す。
 でも少しお待ち下さい。病院は基本的に入院や手術が必要な方を受け入れると
ころです。残念ながら、病院では「重病」でない方は「冷たい」扱いを受けてし
まう可能性があります。
 正直に申し上げて私が勤務医であった時は、例えば膝の痛みを持つ患者さんに
対して手術の不要な方にはあまり興味がなく、薬・注射と日常生活上の注意を簡
単に説明して終わらせていました。当然痛みは取れませんでしたが、それで「し
かたがない」と思っていました。
 ところが開業して改めて膝の痛い患者さんに対し、日常生活上の注意を何回も
丁寧に行いリハビリ・投薬・注射・装具などをうまく組み合わせる事により、ほ
とんどの方が痛みが軽減し、痛みがゼロになる方も少なからずおられる事に私自
身驚き、勤務医時代もう少し「軽症」の方に時間をかけて対応すべきであったと
反省いたしました。
 とはいっても、やはり病院では「重症」の方に時間を割かざるを得ず、「軽症」
の方にきめ細かい指導・治療を行うことは難しいかと思われます。
 どこか具合が悪ければ、まずはお近くの診療所を訪ねてみて下さい。開業医は
ほとんど皆勤務医を経験し臨床経験人生経験も豊かであり、多くは「専門医」の
資格を持っています。また、近隣の病院・診療所の実情(何病の専門の医師はど
こにいて、評判・実力はどうである)を良く知っており、もし別の診療所・病院
での治療のほうが適当であれば、そこを紹介してもらえます。
 もし、治療等に疑問があれば何でも遠慮なくお尋ね下さい。その際はあらかじ
め質問事項をメモしておかれる事をお勧めします。医師の前では言いたい事を言
えなくなってしまう方は多くお見受けします。
 また最近は、インターネットが発達しているので「専門医」を探すのは簡単で
す。
 もしあなたが都市部にお住まいであれば、少し調べていただくだけで何科のど
の病気であってもあなたのすぐそばに「専門医」が開業している事にお気づきに
なることでしょう。なぜ、あなたは気づかなかったのでしょう。実は法律の規制
があって、表の看板などには経歴や専門などの詳しい情報を掲示することはでき
ないのです。
 当院にもネットで検索してお見えになる方、またご本人が検索できなくてもお
子さん、お孫さんが検索してこられる方が多勢おられます。
 そしてその診療所が信用できると感じたら、何でもご相談なさることをお勧め
します。
 病気別にかかりつけの「専門医」を持つのも良い方法だと思います。
 少し話は変わりますが、日本では「フリーアクセス」と言ってあなたの意思で
選んだあなたのかかりたい医師の診察を容易に受けることができます。また、ご
存知のように「皆保険制度」のおかげで、比較的安い費用で「軽症」のうちから医療機関にか
かる事ができます。(あなたは「高い」と思われるかもしれませんが、実は外国
と比べれば「安い」のです。)
 この「フリーアクセス」「皆保険制度」は日本が世界に誇る医療制度であり、
これを変えてしまうと取り返しのつかないことになってしまいます。
 今、「家庭医」といって、なんでも診ることのできる医師を養成しようとする
動きがあります。一見素晴らしい制度のようですが、果たしてうまくいくのでしょ
うか。医学の進歩は目覚しいものがあり、広い分野を常にカバーし続ける事はま
ず不可能です。
 「家庭医」の元を訪れたあなたは、結局そこでの説明や治療に満足できずに病
院の「専門医」を訪ねることになるかも知れません。病院ではかなり待たされる
かもしれませんし、「軽症」であるなら、初めにお話したようにあなたが満足す
るような説明・治療は受けられない可能性はあります。
 また「家庭医」は妊産婦の健診も受け持つ事になっています。待合室で風邪を
うつされることがあるかもしれません。「妊娠」は高度なプライバシーです。妊
婦さんは、老若男女様々な方のいる待合室で待っていられるのでしょうか。
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