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Vol.23 内部被曝通信 福島・浜通りから~大切なノウハウの共有が組織化されていない

医療ガバナンス学会 (2014年1月30日 06:00)


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この原稿は朝日新聞の医療サイト「アピタル」より転載です。

http://apital.asahi.com/article/fukushima/index.html

南相馬市立総合病院
非常勤内科医 坪倉 正治
2014年1月30日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp


南相馬市立総合病院と渡辺病院(南相馬市原町区西町)で先日、ファントム(放射線の影響を測るための模型)を使ったホールボディーカウンター(WBC)の チェックがありました。ある規定量の放射性物質が含まれている物体をWBCの中に入れて計測し、ずれた値が検出されないかを確認する作業です。

写真のように、今回使われたファントムは、人形の形をしています。WBCの中に立っている物体です。両手、両足、胴体、頭部などがばらばらになっていて、 それらを組み立てて使用します。水が入っているものや、セシウムが入っているものなど、いくつかの種類があり、それぞれのエネルギー領域で検出値がおかし くないかを確認します。

放射線医学総合研究所(放医研、千葉市稲毛区穴川)の仲野先生をはじめとするスタッフの方々がチェックを行ってくれました。相馬市でも昨年、行っていただきましたが、多くの市町村を回ってチェックされているそうです。

実は仲野先生は、2011年の夏、当院に2台目の富士電機社製、椅子型WBCが導入された際、そのキャリブレーションを行う際にも来院されています。椅子 型で遮蔽が弱く、恐らく主に周辺のコンクリート内のカリウムからの影響を受け、検出限界は今の器械の少なくとも5~6倍ぐらいという状況でしたが、導入で きたおかげで比較的早期に特に小児の検査を進めることができました。その器械の次に現在のWBCが導入されることになります。

電源を入れた直後は安定するまで時間がかかったり、温度や湿度、器械自体の汚染のチェックをしたりなど、気をつけるべきことはありますが、今後も大過なくWBCを使用できそうです。

他の市町村の状況もいくつかお聞きしました。トラブルの中には、当院でも今後起こりうるような、参考になるものが多くあります。

ご存じのように、市町村間の検査同士ではしっかりした横のつながりがなく、検査結果の大枠は知っていても、現場間でのノウハウの共有があまり進んでいませ ん。マイナーなトラブルシューティングやXXXといったケースがあり、起きた問題に対してXXXという対応をしたといったノウハウです。

以前から指摘されていることですが、個人のつながりに大きく依存しているように思います。この点の改善に関して、研究会の立ち上げなど、福島県立医大の先生が本当にご尽力されていますが、それ以外の試みを私は知りません。

今回の事故後、WBCやサーベイメータ含む、多くの器械が導入されました。器械は導入したら終わりではありませんし、今後不要になるわけでもありません。 ノウハウの共有や導入された多くのサーベイメータの校正など、継続してメンテナンスを続けないといけないものがたくさんあります。

今回は、放医研の先生方がWBCのチェックをしてくれました。住民、現場、行政、専門家、企業など多くの方が関わるからこそ難しいことも多いですが、皆で手を取り合って進むしかありません。

写真:

http://apital.asahi.com/article/fukushima/2014012700007.html

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