医療ガバナンス学会 (2014年3月20日 06:00)
この原稿は朝日新聞の医療サイト「アピタル」より転載です。
http://apital.asahi.com/article/fukushima/index.html
南相馬市立総合病院
非常勤内科医 坪倉 正治
2014年3月20日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp
震災後、2011年4月から郡山市の逢瀬中学校に間借りをして授業を再開。2012年4月の遠藤村長の帰村宣言に伴って役場機能が村に戻るとともに、村内 での授業が再開されています。震災前は60人ほど生徒が学んでいたといいますが、現在は15人の生徒が元気に授業を受けています。
どこの学校も同様なのでしょうけれど、先生方が力を合わせて生徒たちを大事に、大事に育てていらっしゃるのです。生徒たちが川内村の宝だということがひし ひしと伝わってくる、そんな印象を強く受けました。2012年4月から自校での給食を再開しており、生徒の好みやアレルギーを聞きながら、調理師が毎日つ くってくださる給食をご一緒しました。この日は中華丼でした。
生徒たちは本当にお互いがお互いのことをよく知っていて仲良しです。昼休みは、一緒に卓球したり、合唱したり。バトミントン部、特設陸上部、特設駅伝部が県大会にも出場するなど部活動にも力を入れているようです。
放射線について1時間ほど授業を行いました。放射能と放射線の違い、自然の放射線が世の中にあること、放射線の影響は量の問題であること、これまでの外部被曝と内部被曝の検査が、どのようなものであったかについて話しました。
ほとんどの生徒は、別に放射線については気にしていないという印象でしたが、まじめに聞いてくれるいい子達でした。1回で全てが分かる話ではありませんが、どこかで聞いたことがあるなといったちょっとしたきっかけでも提供することができていればと思います。
きっと川内村だけではないのでしょうけれど、学校の先生方は一生懸命、生徒たちの面倒を見ておられるのだなと感じました。その一方、校長先生からは、学校 の先生たちが、自分たちもほとんどが現在の居住困難区域出身だが、それだからこそ、生徒たちのために頑張りすぎて精神的な負担が大きくなってきていること を危惧されていました。
15人の生徒、そして色々な場所へばらばらになってしまった約45人の生徒たちも、みんなすくすくと元気に育ってほしいと思いました。
写真: 学校の外のモニタリングポストが指す値は、平常で0.15マイクロSv/h以下程度です。その日は積雪があり、0.07マイクロSv/hとかそれぐらいを指していました。
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http://apital.asahi.com/article/fukushima/2014031800004.html