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臨時 vol 182 「第3回周産期医療と救急医療の確保と連携に関する懇談会 傍聴記」

医療ガバナンス学会 (2008年12月1日 09:54)


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   国民が求めているものを勝手に決め付けるな、ということでしょうか
ロハス・メディカル発行人 川口恭


国民が求めているものを勝手に決め付けるな、ということでしょうか
~第3回周産期医療と救急医療の確保と連携に関する懇談会 傍聴記~
ロハス・メディカル発行人 川口恭
第1回のハイライトをご報告した後で、いきなり第3回の報告に飛ぶ。接続が悪くなって申し訳ない。順を追うことを優先して時間を置くより、早くお伝えした方がよいと思った。そういう中身だった。
この懇談会は12月中に対策を打ち出すということで急ぎまくっているのだけれど、誰が議論を省略してまで急げと言ったんだと、「国民を代表する立場」として参加している唯一の非医療者から疑義が唱えられた。私も全く同感だ。委員名簿は、こちら( http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/11/dl/s1105-12a.pdf )に、2回目から、死因究明検討会でおなじみの木下勝之・日本医師会常任理事が順天堂大客員教授の立場で加わっている。
冒頭の大臣挨拶から。
「本日は終日厚生労働委員会で、この問題もだいぶ質問されたので、この場で検討いただいていることと12月を目途に具体案を出したいんだということを申し上げている。基本的には委員の皆さんの意見を集約してほしいと思っているが、くれぐれも現場の医療者の負担を増すようなことはよくないので、それでなくても医師不足で悲鳴があがっているところに、さらに悲鳴の上がるのではよろしくない。この具体策によって負担が軽減されることでないと先へ進まない。そのうえで、どうしても必要な人的・物的なものがあれば、それは政治の力で何とかする。今後の予算編成で手当てすることも含めて。ただ、これは国だけが頑張ってもあれなんで、各自治体にも頑張ってもらいたい。東京都が猪瀬副知事の元にプロジェクトチームを立ち上げたけれど、ああいったように各自治体に取り組んでもらって、ここの議論が各自治体を動かして、地域地域で優れた取組が行われるような方向付けをお願いしたい」
産科麻酔の専門家を代表して照井克生・埼玉医大産科麻酔科診療科長がプレゼン。
舛添
「総合母子周産期医療センターに常勤麻酔科医を配置しろという話だが、そもそも、そんな数の麻酔科医はいるのか」
照井
「麻酔医は着実に増えている。入局者は年400人ずつ、専門医も年に2000人ずつ増えている。センターの長や産婦人科の部長が麻酔科と連携すれば改善するんではないか」
岡井
「麻酔科の常勤医がいない状況はたしかにある」
海野
「麻酔科医の常勤をセンターの条件に考えると、できるところが限られる。現実にはできなくなってしまうので、まずは最低限のところを確保し、それぞれの施設で育てて充実させていくというのがよいのでないか。センターの陣容が、赤ちゃんに偏っているのも、一番弱い赤ちゃんの命を守るのが最低限必要なことということで、今後は母体救急についても充実させる方向で考えるのではいかがか」
岡井
「全く同感。ただ、それを育てるのに行政の力は絶対に必要。今後大きなテーマになるだろう」
杉本
「麻酔医は確かに増えてるのかもしれないが、病院の常勤はどうか。大阪では、大阪大関係の病院に関しては常勤医を確保するのが非常に難しくなっている。日本全体を見てどうなのか。開業の割合が高いし、女性医師の比率も高い。センターに麻酔科医の常勤を明記したとして、どうやったら確保できるのか」
照井
「御指摘の通り女性医師の比率が高い。2人で1人分とカウントしてもらうなどしないと常勤の働きをsるのは難しいかもしれない。非常勤の麻酔科医がどの程度いるか把握していないが、決して望んで非常勤になったわけではないと思う。病院で疲れ果てて出ていくというのがほとんど」
有賀
「麻酔科医のキャリアアップの観点から伺う。リスクの高くない患者さんから出発するんだろう。産科麻酔は難しい部類なんじゃないか。どの辺りで使いものになるのか。具体的に皆ハッピーな若手と年寄りの混ざり具合を教えていただければ」
照井
「50代の部長、40代の次長、若手と研修医の組み合わせでないか。専門研修の1年目では1人で当直させることはなくて、誰かが指導しながら一通りやらせて、次の年から自律的にやれるようになる」
有賀
「卒後4年から5年で兵隊として使えると」
照井
「戦力になる」
嘉山
「麻酔科の開業が始まったのは仙台からで、麻酔科は受け持ち患者がいないからそういうことをできるんだと思うけれど、常勤麻酔医がセンターに行くためには何をすれば一番いいのか。定員増を提言しているけれど、それだけでセンターへ行くとお考えか」
照井
「麻酔の当直の仕事で一番恐い思いをするのは飛び込んでくる帝王切開。それは産科麻酔のトレーニングが日本ではなぜか抜けていたせいでもある。そこを埋める努力は開始したところだ」
嘉山
「それは麻酔科内の自浄作用の話だろう。ここは国に何かやってほしいと言う場。仙台の場合、年収が少な過ぎるというのが開業の理由だった。そういう事情があるならば、キレイ事じゃなくて、ちゃんと言った方がいい。インセンティブは必要ないのか」
照井
「正直そういった部分は必要。緊急対応が報われる報酬体系を個人としては認めていただきたい」
嘉山
「しばらくは少ない資源を有効に使わないとどうにもならないんだから、言うことは言わないと」
照井
「ありがとうございます」
岡井
「処遇をよくしないと集まらないということ」
大野
「妊産婦麻酔は簡単じゃないということだが、診断がつかず、CTを取る余裕もなく帝王切開に入るような事例もあるが、そういうものは群を抜いて難しいと思う。そのレベルに達した麻酔科医はセンターにいるのか」
照井
「センターに行ってからも力量を上げていくことは可能」
ここでいったん議論を打ち切って前回の積み残し、阿真委員のプレゼン。
「私が話したいことと、ここで議論していることは随分違うと思うが、この会議は何のためにやっているかといえば、会議の向こう側にいる一般の人に対して、みんなで努力するから安心してと示すためだと思う。
(中略)
私たちは余りにも知らなすぎる。できることは、まず知ることから。どこでどうやって知ればいいのか。自治体の母親学級で知らせたらどうか。お産の危険性について知らせたらどうか。それなら既存プログラムの変更だから、そんなにお金はかからない。それから産後こそ母親学級が必要でないか。
(中略)
この検討会を足早に進めて結論を出すことが国民の望みではない。むしろ時間はかかっても、一つひとつ丁寧に議論して皆で理解していくことこそ国民が望んでいる」
最後の一段落は、本当にまさに仰る通り。12月までに何とかしろなどと多分多くの国民は思ってない。
岡井
「医療提供側からだけでない視点でご指摘いただいた」
舛添
「宣伝すると妊婦検診が5回分無料だったのを14回無料にしたので、少しはお役に立ったのでないか」
有賀
「私は大学病院に移る前は普通の市町村病院にいた。最初は脳外科部長で行って、それから救急部長になった。何といってもビックリしたのが、小児科医の働きかたの凄まじさ。それまでは自分が一番働いていると思ってた。しかし小児科、特に新生児科の先生たちはベラボーな働きかただった。小児科のドクターたちに負けないように働こうじゃないかと一緒に行った先生方に言ったぐらい。そこで伺いたいのだが、あの先生たちがどうしてあんなに安い給料でどうしてあんなに働いているのかというような議論は、お母さんたちの間で出ないのか」
阿真
「よく出る。まず皆さん医師の給料を知らない。すごくたくさんもらっていると思っている。でも現実を知ると、時間あたりにすれば一般企業よりはるかに少ないのでビックリする」
有賀
「驚いた先に、あの先生たちにちゃんと給料を払ってあげるには医療費を増やさないと、という話にはならないか」
阿真
「これは難しい。医療費無料化の功罪ということで、せめて夜間休日くらい有料でもいいんじゃないかというような投げかけをしてみたこともあるけれど、余りにも皆の意見が異なるので、会として一つになるのは難しい」
有賀
「医師の給料が安いというところまでは」
阿真
「そういう話なら」
有賀
「私マンションに住んでいるんだが、そういう所でもビックリされる。日医の先生方がかなりたくさんお給料を取っているので、そういうのと勘違いされているのもあるんだろうか」
池田
「産婦人科は地域に根ざした医療と思っている。まったく正常な妊娠であっても行くのだから、地域の文化センターであり駆け込み寺のような機能を持っている。その意味で地域にあることが大事で、欧米のように集約化しすぎるのも問題でないかと思うのだが」
阿真
「大きな所に行きたいという人もいるけれど、ほとんどが地域で産みたいと思っている。前回の検討会でファーストコンタクトが救急隊の方がいいのかと聴いたのも、まさにそれ。だから大体みなかかりつけのドクターに相談している。小児科以上にかかりつけがしっかりしている」
岡井
「スウェーデンの看護師が1人で500人くらい赤ちゃんをフォローしている例をお話になったが、日本では保健師がそういう役割なんでないか。機能してないか」
阿真
「保健師は母親学級には出てくる。でも、どのお母さんをどの保健師が見るというようにはなってない」
岡井
「1対1の関係になれば安心できる?」
阿真
「それもあるし、母親学級自体が産後は地域によってちゃんとやっているところと何もしてないところとバラバラ」
岡井
「どういう種類の情報が伝われば安心してもらえるのか」
阿真
「小児科については、病気の中身とか、こういう時はどうしたらいいのかとか。#7119とか#8000とか、あるということを伝えるだけでも随分違う」
岡井
「救急医療体制について議論しているわけだが、それぞれの地域でどうなっているかというような情報は?」
阿真
「全く伝わってない。だから私の所に教えてほしいと言ってくる」
大野
「大事な指摘。お産が必ずしも安全でないということは段々分かってきたと思うのだが、でもその先に進まず漠然と私は大丈夫だろうと思っている人がほとんど。1次機関として、危険が分かってくれば、高次な機関に行きたくなるんだろうと考えていた。しかし開業して5年経つが、むしろ我々の所へ来たい方々がいるということが分かってきた。たしかに大学では重症の方たちを診てきたけれど、しかし10ヵ月もつき合ったわけじゃない。母親学級で伝えるのもよいだろうが、しかし、命の危険があるというような話を知らない人からバーンと言われて受け入れられるものなんだろうか。何ヵ月も顔を合わせて信頼関係ができてからだったら聴いてもらえるんじゃないか」
阿真
「こういう場で話していることが、お母さんたちにうまく伝わらない。伝わるためにはクッションとなる助産師や保健師が状況をよく理解してどう伝えるかにかかっていると思う。私たちの活動でも、コンビニ受診を控えようとは絶対に言わない。不安がある中で抑え付けようとしてもお母さんたちがついてこない。そうじゃなくて不安を減らしましょうという言い方が必要。それが結果的にコンビニ受診も減らすことになる」
この方法論の必要性は、最近とみに感じており、実は、ロハス誌も軌道修正が必要だと思う今日この頃。まさに仰る通り。
嘉山
「早産が増えているというのを初めて知った。ここで尋ねるのは違うかもしれないが、日本のお産は他国よりリスクが高いのか」
岡井
「不妊症の治療が進んで多胎が増えてる。それからハイリスク妊娠も、妊娠する年齢が高くなっているのと、それから感染もある。環境が悪くなっているのもある」
阿真
「先ほどの大野先生のお話。かかりつけ医が全部果たしてくれれば、私たちのような活動は必要ないかもしれない。何回も何回も診察の中で言ってもらうのがベストだと思う」
杉本
「出産が必ずしも安全ではない。たしかにそうだが、しかし99.995%の人は死なない。それはほぼ安全と考えてよい数字ではないのか。危ない危ないというと却って不安をかき立てる。日本のお産が世界でも安全なことは間違いなく、その年間50人ほど亡くなるのを減らすのはかなり難しい。今回は不安の問題と安全性の問題は切り離して議論した方がよいのでないか。死ぬかもしれない危険だということで不安なのか、何かあった時にちゃんと対応してもらえないかもしれないのが不安なのか」
阿真
「後者」
杉本
「システムができてないということに」
阿真
「はい、そう」
岡本
「啓発の問題は、妊娠してからでなく学校の時から、いのちの教育でやるべきなんでないか。その授業時間が非常に少ない。もっと時間を取って、自分たちが何をしなければいけないのか、たばこの問題とか予防の問題とか、救急車の使い方とか、落ち着いて話をできる時にやっておくことが重要だ」
ということで、専門家的には話が足踏みしたように感じるんだろうが、こういう話をすっ飛ばして何か決めても、国民は議論に参加したつもりがないから(だって何を話しているか分からない)、悪い結果が出た時に、それが自分たちにも責任があるとは思わない。実に意義深かったと思う。
議題はNICUの問題に移る。
田村
「お母さんの救急搬送依頼があった場合にはとにかくセンターで受け入れてそれから考えるという話。発想としては全く正しいと思うのだが、それだけで走り出すと新生児の側で問題があるということを説明したい。この間の墨東の例は35週だから赤ちゃんには特に問題はなかったと思うのだが、22週ぐらいの赤ちゃんだと400グラムにしかならない。400グラムというと3本の指に乗る。その赤ちゃんに、こよりのような管で挿管して、大臣の髪の毛ほどの太さしかない血管に針をいれて点滴しながらセンターをめざす。ところが、そこまでうまくやっても搬送途中の揺れで頭蓋内出血を起こしてしまうことがある。最初からセンターで生まれていればそのようなリスクは負わなくて済むのに。大野病院事件の後で比較的軽いものもセンターに回ってくるようになった。比較的胎児が軽いと思われるもので、NICUがいっぱいでも、お母さんが緊急なら断らないというのは果たして正しいのか。というのが、1次機関でどこまで判断できるのかという問題がある。ああいったことがあった後だけに、おそらく念には念を入れてということが起きる。そういうお母さんが来た時に、総合周産期母子医療センターでなくても診られるという判断がついたらどんどん別の施設へ回すということにならないと、結局、本当に危険な胎児がセンターで分娩されず、母体搬送の時代から新生児搬送の時代に戻ってしまう。
最初からNICUが足りないのに、さらにNICUに毎年200人ずつ出られない赤ちゃんが溜まり続けている。
この状況を放置しておいて、母体緊急のおそれがあるというだけで、どんどん引き受けるのは難しい。医師の勤務改善とNICUの増床も並行して行わないと絵に描いたモチに終わる。
比較的簡単にできるのは、NICU程条件の縛りのキツくない準NICUを設けて、診療報酬で評価すること。小児科医が病院の中に24時間常駐していれば、あとは看護師が3対1だけでよいことにする。今多くの病院が小児救急を取るかNICUを取るか岐路に立たされてNICUを閉鎖している。新生児医療が崩壊すれば総合周産期母子医療センターの受け入れも担保できない」
川上
「NICUに入れる新生児を1000グラム以下に限定すれば回るか」
田村
「1000グラム以下の赤ちゃんが年間3000人生まれる。NICUは2000床ちょっとしかない。1000グラム以下の赤ちゃんすら収容しきれていない」
川上
「ウチの病院でも1000グラム以下は対応できないけれど1500グラムあれば何とかなる。1000グラム以上を収容する他の所を増やしたら緊急避難にはならないか」
田村
「全くおっしゃる通り。先ほど申し上げた準NICUはそういうものの位置づけだ。ただし、それを保険で認めないといけないし6000点ぐらいはないと、現実的に整備しようという医療機関は出てこないと思う」
川上
「前回資料にも出したけれどDPCで新生児を受けると必ずマイナスになる。それから勤務苛酷なのをどう改善していくか。一番進んでいるのが救急だと思う。5人いれば2交替でもかなりいける。でNICUを10床やるのに2交替するとなると何人必要か」
田村
「長期的には交替制をめざしている。しかしかなり将来のこと。現状いつまで経ってもそうならない。動かすためには最低限、労働基準法に従った給料支払いを義務づける、そうしないと施設長が逮捕されるくらいのことにしないと。そうすると残業代がとんでもない額になって、それを払うくらいなら人を増やそうかということになる。ただし10床では交替制は無理。最低24〜30床のNICUと同じくらいの後方ベッドが要るだろう」
杉本
「NICUの勤務条件を入れるのは全面的に賛成なんだが、それと別の観点で、母体救急だったら必ずNICUがないと受け入れできないという風に縛ってしまうのもどうだろうか。基本的に2人とも救命したいわけだが、難しい時には母親優先、母親が難しい時には胎児優先とずっとやってきた。その原則は分けて考えておかないと。NICUがあった方がいいのはその通りだが、ない所には搬送できないというのでは動きが取りにくい。たしかに受けると決めてしまわないと不安は解消できないんだろうが、もし軽いと分かったら他の病院へ移すシステムを考えた方がいいんではないか」
田村
「今の周産期システムでは赤ちゃんの重症度は判断できる。しかしお母さんは一般の救急と同じということで分けて考えてこなかった。せっかく救急の方々が入っているのだから、得意のトリアージの考え方を産科にも入れられるよう教えてほしい。特にコントロールセンターの責任者には、そういう能力のある人を配置することが必要だと思う」
岡井
「ガイドラインをつくるという話はしている。今はとりあえず受け入れざるを得ない。NICUがいっぱいにならないよう、うまくガイドラインを作らないと」
戸井田政務官が割り込む。
「少子化なのに低体重児が増えている、それはなぜ」
田村
「先ほど座長が説明した通りで」
戸井田
「要するに高齢出産だからなんだろう。だったら、もっと早く産めと社会に言うべきじゃないのか。それが根本だろう」
田村
「不妊治療の結果として双子、3つ子が増えている。死亡率が5倍に跳ね上がるので、受精卵を戻すときは1つにと学会でも言っているのに、現実には守られていない。高齢出産をやめなさいとは我々の口からは言えない。行政だったら言えるのかもしれないが」
戸井田
「そのリスクを伝えることが大切だろう。みんな簡単に産めるつもりでいるから、何かあった時に話が違うんじゃないかということになる。啓蒙していくのが大事なことだろう」
横田
「先ほど話の出たNICUを取るか小児救急を取るかでNICUを閉鎖した典型的な病院なのだが、その立場から気になるのは、NICU専従の医師の専門性と通常の小児科の専門性との関係はどうなっているのか」
田村
「新生児専門医制度をつくっていて、目標は1500人から2000人つくること。その専門医は1000グラム未満を診れることが専門性になる。一般の小児科医でも1500グラムあれば診られる」
池田
「産科では開業医を大事にしながら、イザという時に高次機関への垣根を取っ払いたいという方向で来ている。ところが小児科では、フォローアップを地域の開業に頼もうとすると超未熟児だから診られないと言われるという。それがセンターの負担を重くすることにつながってないか」
田村
「フォローアップは高次の医療行為の一つだと思う。後遺症も外に見えるものだけではない。微細なものも色々ある。NICU専従医が診るべきかは別にして小児神経科医とか専門家が診るべきだろう。しかし、超未熟児だったからといって風邪で熱を出したというのまで全部センターに来ないと診れないということでもない。1次救急の疾患は地域で十分だ」
池田
「ここを改善する必要があると思う。産科では地域の開業医との連携を非常に大事にしている」
藤村
「NICUの受け入れ能力をいかに増やすかが喫緊の課題。しかし医師がいない。新生児専従医が1~4人という施設が7割。この人たちに7日間24時間働けと言っている。総合周産期母子医療センターを100万人に1カ所に置くなんて高望みに過ぎるんであって、300万人に1カ所がやっと。医師数が7人あたりにピークが来るようにしないと。それは都道府県知事に求めるしかない。カ所数を誇るんじゃなくて、中身を誇るように。外来がある医療機関の集約化は地域も絡むので難しいが、NICUには外来ないので集約化は医療側だけでできる」
木下
「空きベッドがないのは正常分娩を取らざるを得ないから。空きベッドをつくるなと経営的観点から言われる。5年後、10年後には、もっと産婦人科医は減る。今後どうするのか。医師の志望を縛るところまで考えないと難しいかもしれない。空床補償さえしてもらえればと現場の教授たちは言う。あとは絶対に取るんだという心意気の問題で、それは難しい問題ではない。本当はシステムで対応すべきなんだろうが、現状では心意気で対応せざるを得ない」
この後少しだけやりとりがあって大臣挨拶。
「問題提起だけ。麻酔科医が足りないのなら、照井先生のような人に週に1日ずつ出てもらって、2、30人のそういう人が30分以内に駆けつけるという遊撃隊みたいなのは荒唐無稽なのか。常駐してなくても30分以内に行けば助かるというのなら、どうだろうか。
空床補償の話にしても何にしても結局診療報酬の話で中医協で片付ける必要がある。悠長な話になりかねない。そういう政策システムでいいのか。新生児科医が少ない、処遇が悪いと言っても、結局は診療報酬で病院にお金が流れる仕組みしか取れない。ホスピタルフィーとドクターフィーを入れるのがいいのか悪いのか。現在の体系ではホスオピタルフィーでしか誘導がかけられない。私は厚生労働族でも何でもないので、常に疑問に思っている。この会議にはそぐわないかもしれないが、長期的な問題として議論いただけないだろうか。だって12月目途にまとめたって、実現するのはいつなんだという話だ。直接予算を分捕ってきても、反映するには、必ずあの中医協でということになってしまう」
ビジョンにも少し書き込まれたドクターフィー。進展するだろうか。
木下
「空床補償に関しては、中医協を通さなくても都道府県レベルでできるんでないか。千葉県では既にあると聞いている。東京都もオリンピック誘致にあんなにお金を使うくらいなら、出してくれてもいいと思う」
舛添
「知事会との懇談会で必ずお話をしておきたい」
次回は12月8日とのこと。
(この傍聴記は、『ロハス・メディカルブログ』http://lohasmedical.jp にも掲載されています)

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