臨時 vol 84 「人間的な良い医療を目指して」
医療ガバナンス学会 (2009年4月14日 10:28)
■ 関連タグ
実地医家のための会 創立者 永井友二郎
今回の記事は第３１回日本プライマリ・
内容全文です。学会の記録としては、機関紙「プライマリケア」
Vol,31 No、４ ２６１頁に特別講演の司会者をつとめた平野寛先生が要旨とし
て４頁にまとめています。
●はじめに
本学会は創立３１周年にあたります。
入れてほぼ１４０年ということからかんがえると、
活動もその三分の一になった、
そこで、現在のわが国の医療の状態をみると、われわれはいま、
療崩壊のなかにいながら、
題の本質は、大学や病院が抱える矛盾だけでなく、
そして医療行政、さらに医療全体のひずみにあると思っています。
はじめに、医療とはどういうことか、私はこれは ひとりひとりまったくちがっ
た育ち方をし、生活をしている病人にたいして、いちどきりの、
ない、命がけの侵襲をあたえることと考えています。
そしてわれわれがよりどころとしている現代医学は、
歩しているといわれ、その事実もたしかにありますが、同時に、
郎教授が述べられているように、
「医学は今日、完成したものでなく、開発途中にあり、
医者はいつも病人に欠陥商品を売りつづけている。しかも、
めるわけにゆかず、それを売り続ける義務さえある、」 これが現実でありま
す。
私は医療とは、本来こうした本質を持つものである、
療事故の起こる危険をはらんでいるという認識がまず必要だと思い
で、私たちは日頃、多く先端医学を追うことにつとめていますが、
のみでは病人の期待する不安解消にはなりえない、
があると思います。
このために、
療学が必要であります。 本日は 「人間的な良い医療を目指して」 この欠陥
商品である医学を補い、
● 医療の本質
私は医者でない家に生まれ、育ちましたので、医学のことも、
ともまったく知らず、すべて珍しく、
私が大学病院にいた時代、そして病院勤務をしていた時代、
ら３２年まででしたが、先輩の医師たちは 開業医は不勉強な医者だから、開業
だけはするな、といっていました。
それで私は終生、病院勤務をするつもりでいたところ、ある日、
「永井君の診察は病人の話しをききすぎたり、
問的な医師はそんなことはしないものだ。」と非難されました。 私は指導して
いただいた内科の教授が人間的に幅の広いかたで、
よくみるべきだと教えてくださっていたので、
ど、ききながら診療していました。
それを先輩医師から非難されたので、
ほうがいいとかんがえ、開業にふみきりました。
私は開業してみて、これまでの大学病院、公立病院にいたときと まったく違
う医療があることにおどろきました。 開業医のところには いろいろな病人が
きて、病気の種類が多く、重い病気も軽い病気も、
本当の初期の病人もあり、
また、患者さんは親しくなると、いろいろ ささいな相談ごとを持ちこんできま
す。
私はこうして、大学や大病院では扱うことがない医療の世界、
見して驚きました。そして、開業医のほうが 大学や病院の医師よりも本当の医
療、医療の全体像をみているという思いを強くしました。
それで、私は毎日の診療のなかで、開業医の医療の特徴はなにか、
しらべ、、私の手の内集として 「内科臨床メモ」という本を中外医学社から出
版しました。
この昭和３０年代は 開業医はまだ研究会も学会もなく、ひとりひとりが自分
の臨床経験だけを頼りに診療していました。 そのなかで、私はすこし親しくなっ
た友人に、つぎのことを訴えてみました。
「自分たち開業医には独自の領域があると思うので。
ついて発表しあう場を是非つくりたい。
ひ学会をつくりたい」と。
こうして、昭和３８年２月、原仁先生、浦田卓先生、
実地医家のための会を発足させました。 この会が目指したことは次のような病
人中心の 人間の医学でありました。
「医師は人間を部分としてでなく全体として、
ている人間としてみてゆかなければならない。」 これが最大の基本です。 そ
して同時に、
「医学が専門化・細分化してゆくなかで、
なり、それが放置された状況である。
力を是非しなければならない。」
私たちは以上のような目標にむけ、
強を、毎月の研究会ではじめました。
当時、わたくしたちのこの活動に対して、
ました。
第一は、当時、日本医師会の会長が武見太郎先生でしたが、
若造のいいだしたことを、ひねりつぶすのでなく、
れました。そして後には、発起人のひとり、
た。
そして第二には、まえに述べた川喜田愛郎教授ですが、
演していただいたとき、
くださいました。
「私は基礎医学者として、毎日きびしい研究をつづけているが、
教授たちをみていると、この方々は、病人をみる医師としても、
究をすべき科学者としても不満を感じている。 それにたいして、君たちの研究
会は しっかり病人中心という視点をきめている、
れからの医学、医療にとって大事であり、
といってくださいました。
この川喜田教授はご承知のように、著書「医学概論」が有名で、
へん重い内容にあふれていますが。
「医療ははじめに病人があった。病人があって医療がうまれた。
うに進歩したとしても、
医者の都合に従わせて診療してはならない。」 というものです。
またもうひとり偉い方がおられます。 昔、東京 清瀬に国立東京療養所とい
う結核の大きな療養所がありました。
川喜田先生と同様に尊敬してやまない方ですが、
ておられました。
「医師はいつも、自分になにができ、なにをすべきか 考えている必要がある。
病人にたいして、有害なことや無駄なことはせず、
療だけをしている、
スモンやサリドマイドの歴史が示すように、
系である。医師はこの視点に立ち、
もつ自然治癒力を大切に考え、同時に、
ういう良い医療を基本とすべきである。」 といっておられました。
そこで本日はわれわれの意識がとかく先端医学に向きがちのなかで
良い医療を実現する上で、
まず第一の柱は、いま砂原先生がいわれた「人間の自然治癒力」
大事にする、これをそこなわないようにすること、
第二の柱は、「医療におけることば」、 私たちは「ことば」というものを自
然につかっていて、その重要性を忘れていますが、医療は「
成り立たない、「ことば」
だけでなく、この「ことば」
カウンセリングでわかるように、「ことば」は薬や手術とならび、
また心を和らげる おおきな力をもつものであります。
そして第三の柱は、病人の基本的人権を大事にする「
医事法学」
があります。
私は医療をささえるものは以上のように、先端医学だけでなく、
が大事であり、さらに それら全体を支えるものとして、歴史学、文学、心理学
など、人間の多くの文化があり、
そこでまず、第一の自然治癒力について、
昔、太平洋戦争中、こういうことがありました。
トラクック島の軍艦におりましたとき、
この軍艦の軍医長が東大の外科出身の方でしたので、
私がむきあって助手をつとめ、手術をしました。
長が腹膜と筋肉層との縫合がよくなかった、といって 翌日、縫合のやり直しを
しました。
その日、私は軍医長とむきあって、
それは手術した翌日で、まだ２４時間もたっていなかったので、
皮膚はすぐ容易に開くだろうと思っていたところ、
芽でつよく癒合していて、指で左右にひろげようとしても、
でした。仕方なく、メスをいれてやっとひらくことができました。
私はこのとき、はじめて人間のからだの自然治癒力の大きさ、
と知ったのでありました。そして、
あらゆる病気の治癒機転の柱であることを教えられた、
ました。
● ことばと医療
つぎに、「医療におけることば」 これは医療の最大の柱でありますので、す
こし丁寧ににおはなししたいと思います。
私がこの「医療におけることば」の重要性に気づいたのは、
医家のための会」を発足させたときでした。
私の高等学校同級生で、小児科を専攻し、
義先生が、この会の趣旨に賛成してくて、
最初に患者さんとの対話、「ことば」
ウンセリングの手法による「ことばの学習」を特別講義で６回 やってくれまし
た。
私はこの講義をうけたとき、はたして「ことば」だけで、
あるか、疑問に思っていました。 しかし、いろいろ、カウンセリングの実例を
きいているうちに、ほほう、そうか、と思うようになり、
がかわっていきました。
どう変わったかというと、私はその当時、
診断し、その病名にあった治療をするものだと考え、また、
病人は治してやるものだと思っていたのですが、 それが、平井先生の連続講義
をきいているうちに、
私は自分自身が次第に おおきく かわっていくことに気がつきました。
私はまず、医者である自分が病人より上だという考え方を改め、
等の立場でことばをかわすようになりました。 そしてつぎに、病人とよくこ
とばをかわすことによって、
も、病人の不安が減るらしいことを知りました。 そして、この 病人とゆっく
り話しをすることで、、自然によくなる病気は ことばをかわすだけで 多く治っ
てゆくことを知りました。
以上のことは、私にとっては大変大きな出来事で、
よって、
私はこのようにして、「ことばによる病人の人間理解こそ、
ことを知ったのでした。
すなわち、もともと人間のわずらいは それぞれの人の固有の生い立ちと生活
にむすびついたもので、
くかかわるものです。 人間が病気になって、何に困り、何に苦しむか、何をも
とめるかは、ひとりひとり その内容がちがうのが普通で、そのちがいはその病
人にとって大きい意味があります。
そしてこの千差万別の病人のわずらいのなかで、
師につたえるのも、また医師の側から これをくわしくききとり、あるいは医師
の考えを病人につたえるのも、すべて医師と患者との対話、ことば 以外のなに
ものでもないのです。
この意味から、医療は「ことば」にはじまり、「ことば」
い、ということができます。
それで、現代医学がいかに進歩しても、
めている事柄を理解できなくては、病人を苦しませ、
この意味で、これからの良い医療、病人中心の医療にとっては、「
あらゆる先端医学にもまさる不可欠の方法論であり、
よいものです。
そこで、この「ことば」
まず、「ことば」というものが、人間の生活のなかでどんな意味、
もっているか、考えてみますと、
第一には、「ことば」なくしては人間は考えることも、
できない。ものごとを分析し、思索し、判断し、
「ことば」によります。
第二には、相手の人間がどんな人であるかを判断するとき、
とんどが相手のことばである。
第三に、以上のように人間の生活、文化の多くのもの、
自然科学も、医学も、この「ことば」によって支えられ、
うことがあります。
このように、「ことば」はわれわれ人間にとって、
ありますが、これが乳児のときの「かたこと」ではじまり、
ついてきた、あまりにも日常的で身近かであったために、
というものの重要性にあまり気づかず、意識しないできました。
そういうなかで、先にお話しましたように、
発足のとき、われわれは人間中心の良い医療のために、
と患者との「ことば」のやりとりが大事と、
た。
その内容はカウンセリングの技法にもとづいた病人との面接法で、
今、多くの書物に「患者の面接技法」
は多くの著書にゆずり、私はこの学習を深めるうえで大事な、
をお話したいと思います。
その第一は、どの患者さんにたいしても、
本腰をいれて話を聞き、話をする。そしてときには、
を交えるほどの気持ちで患者さんに接することが大事で、
とを「雑談療法のすすめ」という小文にし、
した。 患者さんとゆっくり話しをすることが第一です。
第二に大事なことは、ものごとを理解するうえで、
て理解を深める視点をもつことです。 そしてその構造として、「歴史的構造」
すなわち、その生い立ちをよくしらべること、さらにもうひとつ、
という構造、
げたいと思います。
通常、人やものをよく理解するためには、その「生い立ちの歴史」
ことがたいへん有効です。病人の人間理解のばあいにも、
をしたかをきくことで、理解が大きく進むことを経験します。
それから、病人が訴えてきていることは、
れは全体でないばあいが多い。それで、
まらず、つねに病人が抱えている問題の全体は何であるか、
解し、問題の解決に取り組む必要があります。 すなわち、われわれはつねに、
「全体と部分」という視点をもって、病人をみる必要があります。
そして第三に大事なことは、「ことば」
のでなく、積極的に相手の人によくわかってもらえるように、
ばをつかう工夫が必要です。
作家の司馬遼太郎さんはある講演でつぎのことを述べていました。
「吉田松陰という人はかたぶつで、
店から出ている吉田松陰全集の１２巻をずっと読んでいくうちに、
文章のうまさにびっくりした。 古今の名文家ですね。 それで、だんだん読む
にしたがって、これは単に文才だけ、
松蔭の文章には非常にこころのやさしさが出ています。
るために、やさしく、やさしく、わかりやすい文章を書いた。
集をよんでいくとよくわかります。」
とありました。
このやさしさ、愛情といってもいいと思いますが、
立小児病院長だった小林登先生は 「やさしさを科学する」という論文をかいて
おられます。
それによると、子どもの発育における母親のやさしさは、
だけでなく、
染症をおこす頻度を減少させ、感染症による死亡率を減らす、
すなわち、やさしさは医療において、
いうことであります。 これで、「医療とことば」の話をおわります。
● 医療における法と倫理
私は昭和４８年、
厚生省から「医事紛争研究班」の委員を命ぜられました。
法律の関係はまったく無知でしたが、私はこの委員会で毎月１回、
３年間、医療事故や医事紛争の勉強をして、
ました。
この委員会の委員長はさきにお話した砂原茂一先生で、
唄孝一先生という、わが国の医事法学の生みの親〔
をうけられた〕がおられ、
を有り難く思っています。 それで、本日は、この唄教授から学んだ事柄につい
てお話しようと思います。
はじめ、私はこの委員会で、
療にたいして、
以前から法律家や裁判官は六法全書や過去の判例をよりどころとし
罪をきめ、ときには死刑さえ宣告する、切れ味のするどい、
てきました。
それで、この法律家たちがどんな方法で、
の議論の進め方を注意してみてきましたところ、
法律家たちは議論の進め方がたいへん緻密で、
かたをするのか、と思ったほどで、私は法律家、
「ことば」であったことをはじめて知ったのでした。
そして私がこの委員会で次に驚いたことは、私がそれまで、
善意にもつずいた行為と考えていたところ、それが、つぎのように 根底からく
つがえされたことです。
法律家たちは医療を次のように規定し、認識していました。
「医師のおこなう診療行為は、投薬から外科手術にいたるまで、
者の身体にたいする侵襲的行為であり、
がって、刑法の２０４条のいわゆる傷害に該当し、また、
侵害にあたる。 このような診療行為が医師にのみとくに許されるためには、次
の三つの条件が満たされている必要がある。 として、
１、診療行為が診療の目的をもっていること
２、その手段、方法が当時の医療水準からみて妥当であること、
３、診療の目的、および予想される結果について、
あり、患者本人の承諾があること
ということでした。私はたいへんおどろきました。
また、唄教授から教えられたつぎのことがらも、
した。
「病人はいつも、そのかけがえのない いのちとからだ を医師にあずけ、や
り直しのきかない医療を医師に托している。
ても、あくまで不完全な知識の体系であり、
故がおこる。そして医師たちはこの不完全な医学のもとで、
く病人への献身を誓ったものであることを忘れないでほしい。」 そして
さらに、
「医療をうける患者たちは、いつも泣く覚悟を要する。
覚悟で医療をもとめざるをえない。
のことは患者に悲しみをしのばしめるだけのもではない。
医師は医療のこわさを銘記し、
医療を托していることを是非知っていてほしい。医師は患者が、
られ、
医療をおこなってほしい。
医療の原点はまさにここにあり、 不幸にして医療事故が生じたときは、この
事故が生じた所以について、医師は患者にたいし、
説明をしてほしい。 その事故がたとえ、避けられないものであったばあいでも、
その避けられなかった理由について、
そのとき、医師の側にも この医療事故による大きな驚きと衝撃があるはずで
ある。この医師の側の驚きと衝撃が患者側につたわらないばあい、
ずあに悲しみを大きくさせ、
る。」
私は以上のことを唄教授から教えられ、 医療事故の実態がどうなっているか、
是非知りたく思いました。
● 医療事故の実態調査
それで、私は実地医家のための会会員によく説明し、
をしました。 このような調査は会員相互の信頼関係がないと行いにくいもので
すが、さいわい、昭和５１年に第１回、
ことができ、唄教授からも高く評価していただきました。
この２回の調査をまとめてみると、つぎのようになります。
調査に答えてくれた１６１名の医師から、
そのうち、裁判になったものが、８件、 死亡事故が４２件 ありました。
くわしい内容は省きますが、
しており、４人に１人は死亡事故を抱えていた、という結果です。
この場合の医師・患者関係についてみると、
たものが１６５件中、５０件、約３分の１でした。 この患者側の不満・クレー
ムから紛争になったものが１０件、信頼を失ったものが２３件、
もの ５３件、そして約半数の患者は不信をのこし、
した。
また、医師が自分では過失なしと考えているばあいでも、
るいは裁判になったものが８件ありました。
このように、医療事故は患者にとっては 命がけの、また医師にとってもきわ
めてきびしいことですので、私はこの医療事故をプライマリ・
マとして、正面からとりあげるべきとかんがえ、
「医療事故を日常診療の一部へ」という演題をだしました。
その内容は、今申し上げた調査結果にもとづき、
つかうのでなく、日常診療の大切な一部として、
べ、さらに、地域医療システムの一翼として、患者が日常、
や医療事故についての疑問をもちこむことのできる医療相談所を設
を提言しました。
私はこのように、して「実地医家のための会」をつくって４５年、
学」ととりくんできましたが、昭和６１年、
和先生から次のことを依頼されました。
へん大きな事柄であります。
阿部正和学長は私に、是非この話をきいてほしいと、
した。、
「私たち大学では、
んとうの在るべき医療というものは教えることができません。
開業医のところで、
と。 それから２０数年、
までつづけています。
そしてその具体的な成果が毎回、
慈恵医大５年生のものにつぎのものがあります。「
信頼関係を築く診療、
また、訪問診療、
であることを知った。」このように、
大きく貢献していることが示されています。
このことは、日本の開業医の医療のなかに、
な柱が確実に実践されていることを示しています。
●おわりに
以上、本日は「人間的な良い医療を目指して」
てきました。講演要旨にかきましたように、
全体としては依然として開発の途中、不完全な知識の体系であり、
医療事故発生の危険をはらんでいます。
このなかで、医師は病人のかけがえのない いのちとからだにたいし、やりな
おしのきかない、ただ一度きりの侵襲をくわえるので、
けでは解決がつかない問題がのこるのは当然です。
このために、進歩した現代医学のほかに、
毎日の診療に生かす必要があります。すなわち、
基本は人間のからだの自然治癒力によるものであること、
るものとして十分活用すること。そして医療においては、
りのある心で、「ことば」を丁寧につかい、
らに、「病人の基本的人権、大事ないのちにたいする畏敬の心」
倫理の認識、心構え」をもつことが必要です。
以上の事柄は、医療というものの基本であり、原点ですが、
がら、これまで わが国の医学教育にも、医療制度にもとりあげられませんでし
た。 その具体例として、健康保険の点数を点検してみますと、
本日お話した病人の人間理解にたいする点数として、
初診料 ２７０ 点
再診料 １２３ 点
これにたいし、 ひょう疽 の切開 ９９０ 点
虫垂炎の切除手術 ６２１０ 点
となっています。
私はむかし、海軍軍医で多くのひょう疽の切開しをしてきました。
の手術も２回しました。化膿した指にメスをいれる、
時間と全身全霊をつかった初診料の３倍以上という制度は、
であり、人間軽視もひどいものです。
すなわち、現在の大学も、医学界も、政治家も、官僚も、
質がわからず、川喜田教授のいう「欠陥商品」をそのまま、
います
私は政治むきのことは不得手ですが、だまっていることができず、
の唐澤祥人会長と、まえの厚生労働次官 辻哲夫氏とに、このひどい不合理、人
間軽視を是正するよう、とりあえず、
私にはもう時間がありませんが、また、
られませんが、われわれには４０００人を超える本学会があり、
あります。 私は真に医療を良くする決意があるなら、これまでの先入観念を捨
て、
わが国の医療崩壊を救うため、
本日おはなしした事柄が、医学教育、
様とともに、このプライマリ・
プライマリ・ケアこそ究極の医学であります。これで 講演をおわります。
参考文献
１ 川喜田愛郎：医学への招待 日本看護協会出版部 ７、 １９９０
２ 永井友二郎：内科臨床メモ 中外医学社 １９６１
３ 川喜田愛郎：医学概論 真興交易医書出版 ３、 １９８２
４ 砂原茂一 ：医者と患者と病院と 岩波新書 １０１、１９８３
５ 平井信義 ：ムンテラの科学 人間の医学 創刊号 ３８、１９６３
６ 永井友二郎：雑談療法のすすめ 日本医事新報 No、４１５２，４１、２００７ 司馬遼太郎：司馬遼太郎全講演１、朝日文庫 １７０，２００３
８ 小林登 ： 育児の人間科学 からだの科学選書 ２、日本評論社１９８２
９ 唄孝一：医療における法と倫理 現代のエスプリ 医療と社会１８９、１９７１０ 永井友二郎：医療事故の共同調査 １ 人間の医学No７８ ６０、、１９７１１ 永井友二郎：医療事故の共同調査 ２ 人間の医学No158 ６、 １９９１２ 永井友二郎：医療事故を日常医療の一部へ 日本プライマリ・ケア学会誌５－
１３ 永井友二郎：家庭医実習について 人間の医学NO１４１ ６、１９８９
１４ 永井友二郎：プライマリ・ケアこそ究極の医学 日本医事新報 No４０９３ 、
４１、２００２
お知らせ
配信をご希望の方はこちらのフォームに必要事項を記入して登録してください。
MRICでは配信するメールマガジンへの医療に関わる記事の投稿を歓迎しております。
投稿をご検討の方は「お問い合わせ」よりご連絡をお願いします。
MRICでは配信するメールマガジンへの医療に関わる記事の投稿を歓迎しております。
投稿をご検討の方は「お問い合わせ」よりご連絡をお願いします。
関連タグ
pcr検査
Tansa
がん
アメリカ
ワクチン
ワクチン接種
ワセダクロニクル
上昌広
中川七海
井上清成
保険制度
内部被曝通信
医師不足
医療事故
医療崩壊
医療訴訟
医薬品
坂根みち子
坪倉正治
多田智裕
大西睦子
小松秀樹
山本佳奈
川口恭
感染症
放射能
政策
教育
新型コロナウイルス
東日本大震災
月別アーカイブ
- 2024年11月
- 2024年10月
- 2024年9月
- 2024年8月
- 2024年7月
- 2024年6月
- 2024年5月
- 2024年4月
- 2024年3月
- 2024年2月
- 2024年1月
- 2023年12月
- 2023年11月
- 2023年10月
- 2023年9月
- 2023年8月
- 2023年7月
- 2023年6月
- 2023年5月
- 2023年4月
- 2023年3月
- 2023年2月
- 2023年1月
- 2022年12月
- 2022年11月
- 2022年10月
- 2022年9月
- 2022年8月
- 2022年7月
- 2022年6月
- 2022年5月
- 2022年4月
- 2022年3月
- 2022年2月
- 2022年1月
- 2021年12月
- 2021年11月
- 2021年10月
- 2021年9月
- 2021年8月
- 2021年7月
- 2021年6月
- 2021年5月
- 2021年4月
- 2021年3月
- 2021年2月
- 2021年1月
- 2020年12月
- 2020年11月
- 2020年10月
- 2020年9月
- 2020年8月
- 2020年7月
- 2020年6月
- 2020年5月
- 2020年4月
- 2020年3月
- 2020年2月
- 2020年1月
- 2019年12月
- 2019年11月
- 2019年10月
- 2019年9月
- 2019年8月
- 2019年7月
- 2019年6月
- 2019年5月
- 2019年4月
- 2019年3月
- 2019年2月
- 2019年1月
- 2018年12月
- 2018年11月
- 2018年10月
- 2018年9月
- 2018年8月
- 2018年7月
- 2018年6月
- 2018年5月
- 2018年4月
- 2018年3月
- 2018年2月
- 2018年1月
- 2017年12月
- 2017年11月
- 2017年10月
- 2017年9月
- 2017年8月
- 2017年7月
- 2017年6月
- 2017年5月
- 2017年4月
- 2017年3月
- 2017年2月
- 2017年1月
- 2016年12月
- 2016年11月
- 2016年10月
- 2016年9月
- 2016年8月
- 2016年7月
- 2016年6月
- 2016年5月
- 2016年4月
- 2016年3月
- 2016年2月
- 2016年1月
- 2015年12月
- 2015年11月
- 2015年10月
- 2015年9月
- 2015年8月
- 2015年7月
- 2015年6月
- 2015年5月
- 2015年4月
- 2015年3月
- 2015年2月
- 2015年1月
- 2014年12月
- 2014年11月
- 2014年10月
- 2014年9月
- 2014年8月
- 2014年7月
- 2014年6月
- 2014年5月
- 2014年4月
- 2014年3月
- 2014年2月
- 2014年1月
- 2013年12月
- 2013年11月
- 2013年10月
- 2013年9月
- 2013年8月
- 2013年7月
- 2013年6月
- 2013年5月
- 2013年4月
- 2013年3月
- 2013年2月
- 2013年1月
- 2012年12月
- 2012年11月
- 2012年10月
- 2012年9月
- 2012年8月
- 2012年7月
- 2012年6月
- 2012年5月
- 2012年4月
- 2012年3月
- 2012年2月
- 2012年1月
- 2011年12月
- 2011年11月
- 2011年10月
- 2011年9月
- 2011年8月
- 2011年7月
- 2011年6月
- 2011年5月
- 2011年4月
- 2011年3月
- 2011年2月
- 2011年1月
- 2010年12月
- 2010年11月
- 2010年10月
- 2010年9月
- 2010年8月
- 2010年7月
- 2010年6月
- 2010年5月
- 2010年4月
- 2010年3月
- 2010年2月
- 2010年1月
- 2009年12月
- 2009年11月
- 2009年10月
- 2009年9月
- 2009年8月
- 2009年7月
- 2009年6月
- 2009年5月
- 2009年4月
- 2009年3月
- 2009年2月
- 2009年1月
- 2008年12月
- 2008年11月
- 2008年10月
- 2008年9月
- 2008年8月
- 2008年7月
- 2008年6月
- 2008年5月
- 2008年4月
- 2008年3月
- 2008年2月
- 2008年1月
- 2007年12月
- 2007年11月
- 2007年10月
- 2007年9月
- 2007年8月
- 2007年7月
- 2007年6月
- 2007年5月
- 2007年4月
- 2007年3月
- 2007年2月
- 2007年1月
- 2006年12月
- 2006年11月
- 2006年10月
- 2006年9月
- 2006年8月
- 2006年7月
- 2006年6月
- 2006年5月
- 2006年4月
- 2006年3月
- 2006年2月
- 2006年1月
- 2004年7月
- 2004年6月
- 2004年5月
- 2004年4月
- 2004年3月
- 2004年1月