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Vol.043 すごいぞ高校生パワー

医療ガバナンス学会 (2015年3月5日 06:00)


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※この文章は『福島民報』2015年2月15日「民報サロン」欄に掲載された寄稿エッセイを、許可を得て転載したものです。

一般社団法人ふくしま学びのネットワーク事務局長
前川直哉

2015年03月05日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp


県内の各地で、高校生による地域おこしや商品開発、ボランティアなどが盛んに行われています。福島の高校生の社会活動への積極性と中身の充実度は、全国でもトップレベルではないでしょうか。昨秋に私たちふくしま学びのネットワークと東京大学REASEで共同主催した「ふくしま高校生社会活動コンテスト」の出場団体の活動をご紹介します。

まずは浜通り。新地高の科学部は植物工場で根菜類を安定した品質で育てるための育成培地について、ハツカダイコンを用い実験を重ねています。津波塩害と東京電力福島第一原発事故により、打撃を受けた農業の復興に寄与したいという熱い思いがあります。

相馬高郷土部は、自然災害の過去の記録を調べて発信し、地域の防災意識を高める活動を行っています。地道で、非常に意義の大きい活動です。

全校一丸となっての活動が目を引くのはいわき市の遠野高です。毎年秋に行われる地域のお祭り・満月祭に向け、生徒会が中心となり全校生徒がボランティアに参加。学校のグラウンドで行われる満月祭の準備のほか、地元名産の遠野和紙を使った新たな民芸品「うさぎ面」の開発と作成・販売や、特産品を生かした新たな名物料理の開発にも取り組んでいます。

続いて中通り。福島高の福島復興プロジェクト・土湯魅力創造班の活動は全国でも有名です。観光客増のため「ここにしかない魅力」が不可欠だと考えた高校生たちは、土湯が誇る地熱に注目。不思議な南国の果実・ミラクルフルーツ栽培への地熱利用や、好適環境水による魚の養殖を提案し、地元の方の協力を得て実現しています。

桜の聖母学院高のSEIBOインターアクトは、地道な活動を継続。足湯や散歩、子どもたちとのサッカー・ピアノなど、仮設住宅でのボランティアを続け、高く評価されています。

会津からは会津農林高の二団体が参加しました。同校の子ども見守り隊は防犯意識を向上するため、高校生による放課後の町内の見守りなど、地域密着型の活動を行っています。

早乙女踊り保存クラブは、後継者不足により三年間休止されていた、会津坂下町・御田植祭の伝統行事、早乙女踊りを生徒たちで継承しています。現在は舞方に加え、謡方・はやし方も担当し、毎年七月七日にはたくさんの観客が見守る中、踊りを披露しています。

学校を超えたグループの活動も盛んです。高校生団体・あいでみは政治関係の悪化に伴い、お互い「何となく」イメージが悪いと感じている日中両国の交流を進めるため、高校生同士の交流事業を立ち上げました。中国の高校生を福島に招いたり、福島の県内各地から高校生を募り、中国で現地高校生とディスカッションを行うなど、毎年主体的な活動を続けています。

知識偏重から課題解決型の学習へと学校教育や大学入試が大きくシフトしつつある中、学校の勉強と社会活動を両立する福島の高校生の活躍は、全国の注目を集めています。最先端を走る福島の高校生たちを、今後も精いっぱい応援していきたいと考えています。

※「ふくしま学びのネットワーク」は非営利の団体で、活動の趣旨にご賛同いただける皆様からの会費・寄付により運営されています。団体の活動や賛助会員・寄付のお申込方法については、下記の公式サイトをご覧ください。

http://www.fks-manabi.net/

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