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vol 13 すずかん通信「来年度予算を見据え医療議連から決議文を提出しました」

医療ガバナンス学会 (2008年7月11日 12:29)


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                       鈴木寛(通称すずかん)


 去る6月18・19日、我々「医療現場の危機打開と再建を目指す国会議員連盟」は、額賀財務大臣・舛添厚生労働大臣・大田経済財政担当大臣に決議を申し入れしました。
今回は「経済財政改革の基本方針(骨太方針)2008」策定に際し、特に重要と判断された事項を盛り込みました。主張は以下の4点です。
「医学部定員の削減に取り組む」という従来の閣議決定の見直し、
社会保障費の年間2200億円削減方針の見直し、勤務医の就業環境と待遇の改善に取り組む団体等への支援拡充、
国民全体の意識を高め、理解と協力を得ること。
議連は本年2月の発足以来、わが国の医療提供体制の再建のために超党派で活動を続け、結果、四半世紀続いた医師削減方針を大転換することができました。今回の決議も、そうした150名超の議員の総意に他なりません。8月末には文科省・厚労省から財務省に概算要求が出され、年末には来年度の予算案が取りまとられますが、我々の主張が十全に盛り込まれるためには、皆さんの協力が必要です。
医療への公費投入抑制は、2005年の選挙で大勝した小泉政権下の「行革推進法」の流れを汲むものです。国公立大学病院は毎年2%、国公立病院は5年で5%の人件費削減を迫られています。しかし現状でも、OECD加盟30カ国中、わが国は高齢化が最も進み医療需要が最も高にも関わらず、人口当たり医師数はワースト4位。国公立病院勤務医の1週間の労働時間は、欧米の1・8倍です。抑制が叫ばれる総
医療費も、対GDP比で見るとOECD中下から9位の低さなのです。この数字は医療の質と待ち時間に反映されて、国民の皆さんに返ってきます。
それでも福田首相がなお「2200億円に聖域はない」と明言している以上、現状を覆すには、世論の後押しが不可欠です。ようやく最近になって医療現場の危機的状況が報道され、人々の認識も高まってきました。とはいえ健康な人にはまだピンときていません。読者の皆さんも、一人でも多くの「今は健康な知人友人」に、ぜひ医療充実の大切さをお伝えください。一緒に医療再建を目指しましょう!
著者紹介
鈴木寛(通称すずかん)
現場からの医療改革推進協議会事務総長、
中央大学公共政策研究科客員教授、参議院議員
1964年生まれ。慶應義塾大学SFC環境情報学部助教授などを経て、現職。
教育や医療など社会サービスに関する公共政策の構築がライフワーク。

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