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MRIC vol 17 「若者にとって魅力的な管理職とは」

医療ガバナンス学会 (2007年9月10日 14:40)


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インテグラス株式会社 木村覚(きむらさとる)
http://www.integrus.co.jp

 
私はインテグラス株式会社エグゼクティブディレクターの木村と申します。弊社は主に企業のマネジャー職を対象としたマネジメント研修、リーダーシップ研修、そしてコーチング研修などを事業の柱としております。私自身はこのメーリングリストでは3回目の執筆になりますが、今回は『若者(部下)にとって魅力的な管理職とは』について考えてみたく思います。どうぞよろしくお願いいたします。

私は昨年の5月まで企業に属してサラリーマンとして働いていました。7年間というそれほど長い間ではなかったですが数多くのことを学びました。特に前にいた会社はプロジェクト型で仕事をすることが多かったため、たくさんの管理職の方との出会いがあったのですが、そこで一緒に企画を考えたり、話をしたり、たまには叱られたりしたことが何よりも一番勉強になりました。幸い私は非常に素晴らしい管理職の方に恵まれ、あまり不満を持つことなく仕事をしていましたが、一方で管理職(上司)に不満を持って会社を辞めていく若者(部下)がすごく多かったことに驚きました。最初はそういった話を自分の仕事がうまく行かないことを上司のせいにして現実から逃げているだけじゃないかと思って聞いていましたが、会社を辞める時に後輩がもらしたある一言でふとしたことに気付きました。

『僕も15年後にはああいった上司みたいになるのですよね』

彼が言った台詞は管理職(上司)の仕事内容と管理職(上司)の個人的な人格のどちらを指しているのは明確ではなかったのですが、少なくとも彼にとってその上司が魅力的に映っていなかったのは明らかでした。その時に気付いたことがあります。若者(部下)は管理職(上司)の姿に自分の10年後、20年後の姿を照らし合わせて見ているのだなと。そして、それがこの会社で自分が成長できるどうかを判断する重要な基準になっているのだなと。

前回、なぜ若者は会社を辞めるのかというテーマで執筆した時にも書きましたが、若者は自分が成長できると思うとあまり会社を辞めないと言われています。そういった理由もこういった若者の発言から何となく分かるような気がしました。給料や福利厚生、そして自社の売上や利益など会社を評価するスペックはたくさんありますが、『自分の理想の将来像となる管理職が今の職場にいるかどうか』これが若者(部下)にとっては会社で働く上で実はすごく重要なことになっているのだと気付きました。

今、リーダーシップ論やマネジメント論、そしてコーチングなどのコミュニケーション手法がクローズアップされて、扱いにくい?部下をどのように扱うかの議論が様々なところで展開されていますが、一番重要なのは『管理職が部下にとって魅力的な上司になること』たぶんこれにつきるのだと思います。真のリーダーやマネジャーとは単なる階層、役職を指すのではなく「この人についていきたい!」「この人の下にいれば自分が成長できる!」と部下から思われる人を指すのだろうと私は思っています。

では、どういう時に管理職は部下にとって魅力的に見えるのでしょうか。どうすれば真のリーダーやマネジャーになることができるのでしょうか。たぶんこれにはいろんな答えがあり、正解もないのでしょうが、私は『前を見つめる力強さ』と『後ろを振り返る繊細さ』の2つが少なくとも必要なのではと考えています。もう少し具体的に言うと『前を見つめる力強さ』とは『明確なビジョンを持っており、それをどんな困難な時でも達成しようとする強い意思を持っていること』そして、『後ろを振り返る繊細さ』とは『部下を1人の人間として認め信頼すること』です。(すいません。偉そうなことを言ってしまいましたが私もまだまだ
道半ばです。)

特に最近はコミュニケーションの重要性が指摘されることが多く、管理職の方の『後ろを振り返る繊細さ』は改善されているような気がしますが、『前を見つめる力強さ』が依然よりも弱くなってきている気がします。この原因は一概には言えませんが、会社が終身雇用や年功序列ではなくなり、不透明かつ不確実な時代に突入したことも大きな原因かもしれません。

今こそ、管理職の方には会社の愚痴や過去の自慢話ばかりではなく、もっと自分の夢や将来のビジョンを堂々と語って頂きたいなと思います。それもどこかの本や誰かの発言の受け売りではなく、つたなくてもいいので自分自身の言葉で語る方が良い。『オレはこういうビジョンを持って仕事をしている。オレは会社、そして業界をこういう風に変えていきたいんだ。』そして、最後に『それにはお前の力が必要だ。』と付け加えると(笑)不確実な時代だからこそ、不安定な時代だからこそ、部下はこういう明確なビジョンを持った管理職がいると本当に安心するし、本当に魅力的に映ります。部下はこういう上司にこそ、付いていこうと思うし、この会社にいればこういう上司に自分も何年後かにはなれるのだと実感するでしょう。まさにこの会社は自分が成長できる会社だと思うのはこういう時なのかもしれません。

あ、ちなみに自分で語ったビジョンを有限実行するのは当然ですよね。まあこれが実は一番難しいかもしれませんが。。

それからHRインスティテュート代表の野口さんは管理職は愛とロマンを語るロマンチック・リーダーを目指せということを言っています。そしてお洒落じゃないといけないとも(笑)確かに魅力的な管理職になるにはそういったことも重要かもしれないですね。

ということで、今回はここまで。偉そうなことをいろいろと書いてしまいすいませんでした。読んでいただき感謝しております。次回も若者(部下)の視点から組織が抱える問題点について書きたいと思います。

【略歴】
1999年早稲田大学理工学部建築学科卒業。
1999年株式会社大広入社。
2005年法政大学大学院社会科学研究科(MBA)卒業。
2006年インテグラス株式会社設立に参画し、同社取締役就任。

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