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臨時 vol 320 すずかん通信 「脱官僚依存の医療政策」

医療ガバナンス学会 (2009年11月3日 09:03)


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          最大の武器は、現場の皆様からの声です。
       医療現場危機打開・再建国会議員連盟幹事長
       文部科学副大臣 鈴木寛

今回の内容はロハスメディカル10月20号に掲載されています
 政権交代を経た今、皆様の間には、「何が変わるのか」との思いを抱かれてい
る方もおられるかもしれません。特に医療は期待と不安が大きいところかと思い
ます。
 あと半年を切った2010年4月の診療報酬改定では、小児科、産科、救急、
外科など生死に直結し、なおかつ崩壊の危機に瀕した分野の地域医療の再生が喫
急の課題です。
 その上で、さらに成すべきは、診療報酬の策定プロセスを”現場主権とエビデ
ンス重視”へと変革させることです。
 これまで診療報酬は、役人の素案に基づき、中医協で団体代表の議論を経て決
定されてきました。こうして役人と中間団体が既得権益を守ってきた一方、医療
政策は現場ニーズから離れていったのです。
 この状態を健全化するため、政治主導で各現場の実態(人材、技術、設備等)
を徹底的に調べあげた上で、患者と医療者ら現場の人たち自身と納税者・保険者
による議論を実現しなければなりません。従来の密室での議論を透明化し、多く
の人々の納得に繋げます。
 なお、各地域の医療ニーズに適切に対応するには、地域医療体制の見直しが必
要です。
 この20~30年、地域医療計画は、天下り役人を中心に厚労省の通達を重視して
作成されてきました。結果、人口・疾病動態が変化しても計画自体は大きく改変
されず、地域実態との間にミスマッチが生じ、医療崩壊に陥ったのです。
 そこで今後、健康保険制度の改革もあわせて行い、保険者団体、被保険者であ
る患者、医療の提供者である医療者を都道府県単位で統一し、「地域医療コミュ
ニティ」を形成すべきと考えます。医療水準や保険料負担などの問題は、全当事
者が同じプラットホームの上で議論し、取り決めるのが筋なのです。”地域主権”
といってもよいでしょう。
 新政府の使命は、医療政策をその作り方から変え、医療に本来あるべき現場主
権、地域主権を取り戻すこと。その際、従来の官僚主導・依存から脱却するため
の最大の武器は、何より現場からのダイレクトな情報です。それにより、官僚機
構から上がってきた情報の検証が可能となります。皆様ぜひ新政府を傍観するに
留まらず生の声をお寄せいただき、改革にご協力ください。共に医療政策を作り
ましょう。
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