医療ガバナンス学会 (2009年3月11日 14:25)
本日、第一衆議院議員会館にて、
す。主催は、がん治療の前進をめざす民主党議員懇談会(会長:
事務局長:古川元久議員)。第一の議題として、「
指定について」を取り上げていただくことになっています。
慢性骨髄性白血病(CML)患者の願いはシンプルです。
「
『高額長期疾病(特定疾病)にかかる高額療養費の支給の特例』
ださい」
今回は、この件について活動を続けてきたCML患者の私から、
等について皆様にご理解いただくべく、
だきたいと思います。
【 高すぎる! グリベックの経済負担 】
CMLはかつて、いったん発病すると一定期間後に急性転化し、
てきました。しかしインターフェロンの登場によって、
持できる患者が現れ始め、
(商品名、一般名はイマニチブ)発売以降、
しました。化学療法、しかも飲み薬である点も、
すく、患者にとってのメリットとなっています。
しかしながら、問題が2つあります。
1、 費用が著しく高額です。
グリベックは、平均的な治療で1日1回4錠を服用します。
単純計算すれば、自己負担3割としても、1日4000円弱、
です。
それでも通常、毎月44,400円は負担しなければなりません。
同じような負担です。限度額いっぱいの支払い(
20年も続けることが、一般の所得の国民にとって「
と思うのは、当然ではないでしょうか。
2、 著しく長期間の治療が必要です。
グリベックは日本では2001年12月に承認され、
ました。2006年6月にASCO(米国臨床腫瘍学会)
咋年12月にASH(米国血液学会)
さらにCML関連死に限定すれば94%
私が発症した1992年当時は、
そのチャンスは非常にかぎられていた)ことを考えれば、
す。
しかし「いつまで飲み続けたらいい」という判断はできません。
異常細胞が復活したケースが報告されています。
多くの患者が「ほとんど一生の間」(死ぬまで)
す。
以上の2点より、CML患者は長期にわたって(多くは一生)、
る自己負担を継続しつつ病気と闘っていかねばならないという実情
いただけるかと思います。
【 高額長期疾病(特例疾患)とは? 】
こうした一生続く経済負担の問題を解決するため、
高額療養費制度の特例である「高額長期疾患」としての指定です。
によりこの指定を受けると、自己負担の限度額が毎月10,000 円(ただし、下記
の人工透析について一部20,000 円)となります。
これについて社会保険庁のホームページには以前、「
にかかる高額療養費の支給の特例」について、
ました(2007年当時。現在は概要のみが示され、
たのか見つかりません)。
「疾病の中には、非常に高額な治療を長期間(ほとんど一生の間)
継続しなければならず、
疾病にかかった患者について、
用負担の軽減を図ることとしたのが、高額長期疾病(特定疾病)
養費の支給の特例である。
対象となる特定疾病については、
ることとされており、その要件は、
(1)
かつ、
(2)(1)
ということである。
この条件に基づいて、(ア)人工透析の腎不全 (イ)血友病 (ウ)エイズ
の三つが定められている。」
CMLは、上記の2つの理由に鑑みれば、
考えます。つまり現在の3疾病に加えて、慢性骨髄性白血病(
ただきたいというわけです。
【 なぜ今、声が高まってきたのか 】
先述のとおり、グリベックが日本で承認され、
約7年前。インターフェロンはさらにさかのぼります。
て、
つの要因があります。ひとつは昨今の経済不況です。
することで皆さんが長期間にわたって生存可能となったためです。
私たちが発祥した頃は、まだグリベックもなく、
というような時代でした。
ら運よく生き延びることができましたが、そうでない人は、
なかった。それが今では、グリベックの登場で、
命が助かるとなると、次に気になるのは、その経済負担です。
やめると症状が悪化したというケースも報告されていますから、
飲み続けなれければなりません。
な額になるのです。それまでは「
ちゃおられない」という感じでしたし、
ので、
こうした状況は、CMLの治療史の中でも今までになかった、
す。グリベッグの長期的な生存効果が実証され始め、
ではなくなった今だからこそ、
そう深刻となってきたというわけです。
ているのもまた事実です。
【 フェニックスクラブについて 】
ここで、
て紹介させていただきます。
私が発症した1992年当時(16年前)、
ために図書館を始めいろいろなところを奔走しました。
関する情報交換を目的とした「フェニックスクラブ」
聞に掲載されました。私は早速、
びかけ人のひとりである大谷貴子さんと初めて出会いました(
勉強会でお話をされる予定です)。呼びかけ人の6名を含め、
スタートでした。
結成時にまずみんなで確認したのは、役員や会則といった、
全て省こうということでした。グリベックのない当時、
ぬかわからない」と半ば覚悟をしながら生きていたからです。
フェニックスクラブは、
現在までに延べ800人ほどの方が会員になられました。
でに亡くなっていますし、無事卒業された方もいらっしゃいます。
入ってくる方もいらっしゃいます。結果、
います。患者さん自身のみでなく、親御さんが、
もあります。
定期的な活動としては、
ります。費用は年会費(2000円)で賄われています。
されていますが、やるやらない、
【 「CMLの会」を立ち上げるも・・・ 】
さて、経済負担への懸念は、
ちろん今日に始まったわけではありません。以前から、
とりの事情はさまざまです。いくつか例をご紹介いたします。
若い患者さんですと、ご自身や親御さんが、「
いは妻となる相手や相手の家に大きな経済的負担を押し付けること
持参金をかかえているようなものだ」と心配されていたり、
クを服用していると妊娠は禁じられていますから、
方もいます。
あるいは出産後のご夫婦の場合でも、子どもさんを複数抱え、
に不安を覚えている方も知っています。「子どもの進学のために、
して様子を見る」という話さえ聞こえてきました。実際、
がよくないし症状が落ち着いているということでグリベックを休薬
悪化した、という相談も寄せられました。
また、会社勤めの方は、在職中はさほど心配していなかったのが、
金生活になって、その負担が重くのしかかってきているようです。
共通しているのは、皆、
そこで「これはなんとか行政に訴えかけなければ」
まず2007年でした。ところが、
るため、
ちはフェニックスクラブとは別組織の「CMLの会」(
会則等の最低限の形を備えた上で、
与党の方々にお願いに行ったこともありますし、
疾患)
しかし、
ているというわけです。
【 医療費削減の方針に疑問 】
近年、厚労省は医療費削減の方針を掲げてきました。
の要求は逆行するものであり、
しかし、そうした”先に枠ありき”の議論は、
療費を考える上での正しい方策なのでしょうか。
我々も、
そのひとつが、”3ヶ月処方”を医師にお願いすることです。
して、
す。そうすれば、3ヶ月に1回、限度額の44,
し、医師がOKしてくれなければできません。
調節が必要になってくる場合を考えて、
の先生もいらっしゃるようです。
いうのも実際のところです。
が出てきてしまうのです。
んの多くは合併症があります。それについては毎月、
ルでかなりの負担を強いられているのが現状です。
その他、内部障害者として「障害年金」
も行ってはきましたが、個人の努力では限界にきています。
たしかに、先にご紹介した「高額長期疾病(特定疾病)
支給の特例」の解説には、適用は「極めて例外的」
旨の但書も併記されていました。
でいるというわけですが、しかしそれも、
といえば厚生労働大臣ひとりの指定があればよいのであって、
する法律改正が必要なわけでもありません。
【 ぜひ患者の視点を! 】
最後に、皆様にお願いがあります。
負担がどれだけのものか、ぜひ想像力を働かせて、
だきたいのです。特に副作用等で苦しみ、働けない人にとっては、
当なものです。厚労省の方々には、
そして医療者の方々にもお願いです。医師の先生方の中には、
担額を全く知らない方もいらっしゃると聞きました。一方、
私が伝える前から知っていた会員は皆、
ます。これは、
らこそです。
え、
という観点でお薬を選んで処方していただくのはもちろんなのです
れによって毎月どれくらいの経済的負担を強いられているか、
し知っておいていただきたいのです。そしてできれば、
らかのアイディアを提供していただければと思います。
グリベックの登場で、
した。けれども現在のままでは、
ちは必要以上に多くを望んでいるわけではありません。
日々にあっても、「明るく、楽しく、前向きに」
クラブのモットーです。それにあともう少し、
皆様、ぜひご理解とご協力をお願いいたします。