医療ガバナンス学会 (2010年1月2日 08:00)
「新春-2」& 妊産婦の再喫煙防止で医療崩壊を止めよう!
トヨタ記念病院禁煙外来 磯村毅
リセット禁煙研究会代表 予防医学で医療崩壊を緩和する会発起人
2010年1月2日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行http://medg.jp
さて、仮にあなたが60点と答えたとしましょう。そうしたら、同じく60点と
答えたあなたとよく似たライバルがいると想像してください。ただしこの人はタバ
コは吸いません。
それでは、あなたと、このタバコを吸わないライバルと、この先もっとよくなる
潜在力を持っている人はどちらでしょうか?吸っているあなた?それとも吸わない
ライバル?
ヒントを出してみますね。タバコを吸うあなたの脳の状態はどうなっているでしょ
うか。元気?それともサボっている?アルファ波やドーパミンの状態は?そう、ド
ーパミンは低下したまま。定期的にアルファ波が減って、ニコチン切れに苦しめら
れる毎日。それにもかかわらず?60点もあるのです。それに対して、もう1人の
人はアルファ波もドーパミンもフルパワーなのに、60点しかないのです。
ということは、あなたが禁煙を始めれば、そう、脳は元気を取り戻し、アルファ
波やドーパミンが回復。確実に、精神は明るくなり、健康も回復するのです。これ
ってすごいことです!
現実に河合塾の浪人生での「禁煙で合格」の試みでは、禁煙により成績がアップ
し合格率も上がったのです。禁煙ってそういうことだったのです。
■-妊産婦の再喫煙予防で医療崩壊を止めよう- 計画 ver.6■
背景:
◇ 医療崩壊の対策は、「医師を増やすか、患者を減らすかである」
◇ 患者を減らす最も効果的な方法はタバコ対策である
(規模でも、費用対効果でも:WHO)
◇ 企業などでの禁煙教室参加率は、全喫煙者の1%程度。これに対し、妊婦の8
割が禁煙を試みる。しかし、現状では禁煙継続のサポートがなく、出産後1歳半健
診時には7割が再喫煙している(もったいない・・・)。
計画案のポイント:
1.妊娠判明時点で、35%の妊婦が喫煙している (第43回日本周産期・新生児医学会)
2.NICU(新生児集中治療室)収容患者の55%が、低出生体重児である
3.妊婦の喫煙により、低体重出生児は2~4倍となる
4.妊産婦の禁煙により、NICU入院を10~36%減少できる可能性がある。
(タバコは医療崩壊の最も深刻な、産科・小児科医療を直撃している)
★これは、NICUの医師・看護師を、10~36%増員したことに相当する!
他疾患においても同様の効果が期待できる。
5.妊産婦の再喫煙予防に効果的なイノベーションあり(禁煙開始者の心理的・社会
心理的評価法、テキスト・CDなどによる心理的サポート+尿中コチニン健診+携帯
口コミシステムなど)。医療制度の変更を要せず直ちに利用可能。
(一部は、名古屋市港区・多治見市で予備試験中)
6.子どもの虐待予防と合わせた包括的な母子保健対策の一環となる。
(虐待児の母親は喫煙率が高い。虐待児スクリーニングシステムの虐待要因一覧表
では、母親の喫煙は5点であり、これは、母親の精神疾患(5点)と同等。両親または一
方が20歳未満(4点)、酒・薬物の問題(4点)、ギャンブルの問題(2点)と比べても、高
得点の危険要因と認められている)