医療ガバナンス学会 (2018年5月10日 06:00)
MRIC Globalの編集部の特徴は、若いメンバーで構成されていることである。スーパーバイザーとして関わってくれている谷本哲也医師と私を除いては、全て20歳代のメンバーである。それぞれが異なる個性で盛り上げてくれており、大変頼もしい。最年少のメンバーは、スロバキアで医学生と学ぶ妹尾優希さんである。膨大な事務作業を的確にこなしてくれている。医療ガバナンス研究所の研究員である樋口朝霞さんは、MRIC Globalを盛り上げていくための素晴らしいアイディアをいつも提供してくれている。さらに、エジンバラ大学の大学院を卒業された廣原萌さんは、堪能な英語で、記事を的確に編集してくれている。編集部以外にも、翻訳などの編集作業を学部生の方々が手伝ってくれている。MRIC Globalにおいては、英訳作業に多くの時間を費やす必要があるため、本当に助かっている。そういった意味では、まさに、若い方に支えられているという思いである。
現在、週に2回Skypeを用いてのMeetingを行う他、メッセンジャーで逐一情報交換を行っている。最近は、様々な方から自選・多選をいただき、少しずつ記事の投稿数も増えて来た。そのため、目下の課題はいかに登録者数を増やしていくかという点である。メールマガジンの登録者数は、投稿してくれる方々のインセンティブにそのままつながるため、その数は極めて重要である。登録者数の増加には、一人一人直接お願いすること、加えて、良い記事を配信していくことがが重要だと考えている。
私個人は、MRIC Globalの存在意義は、大きく二つあると考えている。一つは、英語での発信のための場を作ることである。すでに、自らのブログサイトを持ち、常日頃情報発信をしているような方々もおられると思う。しかし、多くの方々にとって、情報発信の敷居は低くない。英語での発信とならば、なおさらである。MRIC Globalはその敷居を下げるような役割を果たしていきたい。投稿をいただいた記事については、著者の意図がより正確に伝わるように、編集部がコメントや修正を加える。それを道しるべに、筆者の方には、さらに原稿を修正してもらって、というやりとりを繰り返す。また、そのプロセスが終了した後には、業者にお願いして英語校正を行っている。一切の費用は編集部が負担しており、投稿してくださった方々には、喜ばれている。
もう一つの課題は、情報を残すための場を作ることである。そのような趣旨で配信しているのが、「Dr. Tsubokura’s Radiation Lecture」である。もともとの出典は、福島県の地方紙である福島民友において、2015年1月から坪倉正治医師が毎週連載している「坪倉先生の放射線教室」である。この連載の中で、坪倉医師は、一般の読者を対象として、原発事故後の福島の放射線にまつわる現状を解説して来た。連載の開始から3年以上が経過した現在、その内容は多岐にわたり、放射能の問題を多面的に伝えている。私たちは、これまでも、坪倉医師の連載を是非英語で残しておきたいと考えていた。というのも、まだまだ海外においては、福島の放射線の現状について誤った風説が流布しているからである。それが、今回、MRIC Globalの立ち上げに伴って可能になった。正しい情報を繰り返し発信し、また、誰からもアクセスできるような形で情報を公開しておくことは、正しい知識を広める上で、最も重要なことと言える。
さて、まだまだ赤子のような歩みのMRIC Globalではあるが、今年の夏には、賞金付きのエッセイコンテストも開催する予定である。投稿テーマは現在検討中であるが、女性の権利に注目したものになりそうだ。より多くの方に認知していただけるように今後とも頑張っていきたい。