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vol 68 予防接種法改正にもの申す

医療ガバナンス学会 (2010年2月24日 12:00)


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ナビタスクリニック立川 院長

東京大学医科学研究所

先端医療社会コミュニケーションシステム 社会連携研究部門 客員研究員

久住 英二

*本稿は新潟日報にて連載中の「医の中の蛙」からの転送です。

2010年2月24日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会で、予防接種法改正に むけた議論がなされています。現行の予防接種法では、定期接種と 臨時接種があり、とし定期接種には、一類疾病(麻疹、ポリオな ど、いわゆる義務接種)、二類疾病(高齢者に対する季節性インフ ルワクチンで、接種義務なし)に対する予防接種が規定されていま す。毎冬の季節性インフルワクチンは、高齢者以外の方が受ける場 合には任意接種であり、予防接種法で規定されていません。新型イ ンフルワクチンも、予防接種法では規定されていません。なんだか 複雑ですね。

定期接種の一類・二類疾病、臨時接種では、予防接種法に定めら れた補償がなされ、任意接種では、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法に定められた補償がなされます。ちなみに、今冬の新型イ ンフルワクチンでは、新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法によって補償がなされます。予防接種法でも、一類と二類では補償額が異なります。さらに複雑ですね。

喫緊の課題として、高病原性鳥インフルエンザのワクチンの位置づけ。また、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン(プレベナー)、パ ピローマワクチン(サーバリクス)などの新規ワクチンの導入について議論されています。

事務局(厚労省)案では、「現行の臨時接種」のほかに、「新たな臨時接種」の創設が提案されています。接種の優先順位づけ(医療機関、接種を受ける人ともに、不公平感や手間の煩雑さで迷惑を被りました)、供給の調整、さらには適正な接種を確保する目的で 医療機関に調査報告を課し、罰則を科すなどの内容です。法律でがんじがらめにして、守らない場合には罰を与えるという、中央集権的考え方です。都道府県による事情の違いなどは考慮されません。 そこまで管理しておきながら、費用は実費徴収(各人の負担)とさ れています。厚労省の権益が焼け太るだけのように感じられませんか。

予防接種は、感染症予防による国民の生命および健康の維持、社会システムの維持、医療費低減などが目的です。制度を複雑化するより先に、ヒブなどの新規ワクチンを定期接種に組み込むことが優先されるべきです。また、予防接種は無償(税金が使われるのでタダではない)にすべきです。低所得層は病気にかかりやすいため、 低所得層こそワクチンが必要なのです。また、親の所得の差が子ど もの命の差に直結するのは人道的にあってはならないことだと思います。そのために増税が必要ならば、やむなしと思います。

最後に、前回の子宮頸がん予防ワクチン接種の署名について、加茂市の方から携帯署名サイトを作成するよう提案をいただきました。さっそく事務局に伝え、作ってもらいました。

URLは

http://bit.ly/hpvvaccination

です。ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

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