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Vol.256 自分のカラダを守る知識を伝えたい

医療ガバナンス学会 (2018年12月7日 06:00)


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この原稿は医療タイムスの連載(5月22日掲載)“今を生きる”に加筆修正したものです。

山本佳奈

2018年12月7日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

前回ご紹介した通り、同世代の多くの女性の性感染症についての認識の低さに居ても立っても居られなくなった私は、性感染症について自分で発信することを始めた。まずは外来で同世代の女性に手渡しで冊子を渡せばいいのではないかと考え、自費で作ることにした。デザイン料と300部の印刷代で約9万円だった。だが、伝えたい世代は病院を受信する機会があまりない。自分が病院の外に出て行き、発信するしかない。そのことに気がついた私は、次なるアクションについて聞きに人に会いに行くことにした。それが大きなプロジェクトになろうとしている。今回は、そのあたりのことをご紹介したいと思う。

自分で作った性感染症冊子を片手に、私がお会いした一人が音楽投稿雑誌「ロッキング・オン」を創刊された橘川幸夫さんだった。「なんとかして、性感染症の予防や検査の大切さを若者に伝えたいと思い冊子を作りました。」そういう私に、橘川さんは一言。「伝えないといけない世代は、冊子なんか読まないよ。動画で発信するとか、若者が集まるフェスなんかで広めないと。」

今まで文章という形で発信し続けてきた私には、動画を作るという発想が全くなかった。何かを伝えたいと考えたとき、伝えたい世代が何に興味を持っているのか、そして何を使って情報を得ているのか、を考えることの大切さを教えてもらった。では、性交渉をもつ年代に、どうすれば性感染症の予防や検査の大切さを届けることができるのか。

橘川さんに教えていただいた答えの一つは、性感染症について楽しみながら学べる動画を作り、YouTubeで配信することだった。伝えたい世代が、YouTubeの動画から情報を得ることが多いからというのがその理由だった。普段からテレビをあまり見ない私は、当然ながらYouTubeで動画を見たことがなかったが、どんなものなのかと思い視聴してみたら想像以上に面白かった。

早速、性感染症検定というスライドを作成し、「底辺YouTuber」の一人として活躍中の新潟県出身のでべそさんに撮影を協力してもらった。でべそさんは、午前中は画像編集や撮影を行い、午後は生計を立てるためにアルバイトに勤しんでいるという。現在、性感染症検定の動画を編集中だ。今まで、何度もお話をさせていただいたことはあったが、同じテーマでも講演と講義では伝え方が全く異なるということを、身をもって痛感した。自分にとって、反省点ばかりが残る撮影となってしまった。次回は挽回したい。

もう一人お会いしたのが、編集者の加藤晴之さんだった。その際、「おもろい若手がいる」と加藤さんが連れて来てくださったのが、東大卒でテレビ局に就職するも2ヶ月足らずで退職、異質なものと異質なものを繋ぐハブとなりたいという理念の元、独立して会社を立ち上げた大熊将八さんだった。

二人にも、どうすれば性感染症の予防や検査の大切さを同世代に伝えられるかを伺った。加藤さんの答えは、「性感染症について発信することはとても重要。だが、書籍にしてもなかなか伝えたい世代は読まないのではないか。」だった。書籍が売れなくなっている今、SNS

などを駆使して伝えることを考えてはどうかとアドバイスをいただいた。大熊さんは、「発信の仕方に工夫は必要だが、性感染症は日本だけでなく、アジアやアフリカでも問題になっている」という。

その時から、日本だけでなくアジアやアフリカでも性感染症が原因で不妊症になる人を一人でも減らしたい、性感染症の予防や検査の大切さを伝えて、自分の身体を自分で守れるような手助けをしたいと思うようになった。現在、SNSを駆使した動画による発信を模索中だ。日本語でまずは作り、言語をいろいろ変えて発信したいと考えている。

第一弾の性感染症の続編として、緊急避妊薬と子宮頸癌についての冊子も作成した。同世代の健康問題について簡潔でわかりやすい冊子作りを同時並行で継続しながら、外来診療においても、配布を開始している。一人でも多くの人に届けられるよう、活動を続けていきたいと思っている。

http://expres.umin.jp/mric/mric_2018_256.pdf

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