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Vol.097 手の乾かし方次第で驚愕の差! ジェット式ハンドドライヤーに注意すべき2つの理由

医療ガバナンス学会 (2019年5月30日 06:00)


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この原稿はAERA.dot(2月6日配信)からの転載いです。

https://dot.asahi.com/dot/2019020500015.html?page=1

森田麻里子

2019年5月30日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

風邪やインフルエンザは、手を介した接触感染で広がっていきます。鼻水などのついた手で触られたドアノブ、手すり、つり革などを触ると、手にウイルスがつきます。そしてその手を洗わずに食事をしたり、小さいお子さんなら鼻をほじったり指しゃぶりをしたりすると、体の中にウイルスが入ってしまうのです。

予防のためには、インフルエンザの予防接種をしっかり受けて、手洗いをとにかくこまめにすることが大切です。そして実は手洗いの後にも、風邪を予防する大切なポイントがあります。

みなさんは、手を洗った後、どうやって拭いているでしょうか?

手に水分が残ったまま他のものや食べ物を触ると、乾いた手よりずっと細菌がつきやすくなることがわかっています。1997年にニュージーランドのオークランド大学から発表された研究では、濡れた手でものを触った時と、乾かした手でものを触った時に、付着する細菌の量がどう変化するかを調べています。

■ウイルスを大量に撒き散らしていた!

例えば濡れた手で5秒間グミを触ると、乾いた手で触った時の80倍もの細菌が、手からグミに移ってしまいます。付着する細菌の量を、乾いた手と同じ程度まで減らすには、タオルで15秒間拭くか、温風式ハンドドライヤーで45秒間乾かすことが必要でした。温風式ハンドドライヤーは手を乾かすのに時間がかかるので、清潔なタオルやペーパータオルがあれば、そちらの方が早いようです。こちらの実験に使われたのは細菌ですが、ウイルスでもほぼ同様に考えて良いでしょう。

また、2015年にイギリスのウエストミンスター大学から発表された論文では、ハンドドライヤーやペーパータオルを使った時、周りに飛び散るウイルスの量を比較しています。実験では、ペーパータオルやハンドドライヤーのある場所から40cm離れた場所の、15センチ~1メートル65センチまでの高さの範囲に、合計60個ほどの寒天培地を設置しました。そしてプラスチック手袋をした手にウイルスが入った液を付け、ペーパータオル、温風式ハンドドライヤー、ジェット式ハンドドライヤーで手を乾かしました。

すると、設置しておいた寒天培地についたウイルスの量は、ペーパータオルと比べて、温風式ハンドドライヤーでは60倍以上、ジェット式ハンドドライヤーでは1300倍以上になっていたのです。

さらに、ペーパータオルや温風式ハンドドライヤーでは50cm以上離れた場所にはウイルスはほとんど飛んでこず、手を乾かしてから2分半以上経つと、空気中にウイルスは検出されませんでしたが、ジェット式ハンドドライヤーでは、3メートル離れた場所にもウイルスが飛散しており、手を乾かしてから15分後経っても、ウイルスが空気中にただよっていたのです。

■さっと手を洗うだけでは逆効果?

これらの実験は、しっかり石けんで手を洗った後ではなく、清潔でない手から、細菌やウイルスがどのように広がるかを見ています。もちろん、きちんと手洗いするのが一番大切ですが、石けんが設置されていない場合もあります。現実には、トイレに入った後は数秒間水で手を流すだけ、ということもありますよね。実験結果は、実はそういった現実に近いのかもしれません。

さっと手を洗うだけで、水分が残ったまま顔や食べ物を触ると、手が乾いていた時よりも、逆に細菌やウイルスが体に入りやすくなってしまう可能性があります。また、その手をジェット式ハンドドライヤーで乾かしたら、自分や隣りにいる子どもの顔にウイルスが飛んでいっているかもしれません。手を洗うなら石けんで20秒ほどかけて洗うこと、そしてペーパータオルがある場所なら、迷わずそちらを使うことが大切です。

手を洗った後は、きちんと手を乾かすことまで意識して、風邪・インフルエンザシーズンを乗り切りましょう。

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