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Vol.073 災害時、年齢トリアージで医療崩壊を防げ! ~高齢者は若い世代に命を譲る覚悟を持つべし~

医療ガバナンス学会 (2020年4月14日 06:00)


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エッセイスト
一ツ橋二の禄

2020年4月14日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

ちょっと前、TVの有料放送で「プラン75」という短編映画を見た。外国でも評価の高い日本人監督が監修し若い女性監督が作ったもので、生活に困窮している人は75歳になると死を選ぶ権利を与えられる・・というような内容だったが、実に我が意を得た気がした。

さらに最近、医療ネット誌の「未読記事」では外国の医療倫理学者という人が、「75歳になったら延命は不要」というエッセイの中で、「75歳になった後は大きな医療介入だけでなく、抗生物質や予防接種さえも拒否する」と宣言し、その理由として「私たちの消費は私たちの貢献に値するか」と疑問を投げかけていた。古今東西、延命長寿の考え方に疑問符が打たれているらしい。

トリアージという言葉を知ったのはJR西日本の事故の時だったと思う。「助からないと思う患者は後回しにする」、素晴らしいシステムだと思った。この時、同時にタイタニック号の事故の映画も思い出した。足らない救命ボートに乗れるのは「女性、子供を優先して避難させる」という場面で、命の継承を考えれば当然のことだと思った。

さて、中国発の新型コロナウイルスに打ち勝つにはどうすべきか。多くの外国の首脳が「これは戦争だ」と宣言しているが、もしそうなら今の日本の政治家や厚労省が主導する医療体制でこの戦争に打ち勝つことはできるのだろうかと心配になる。なぜなら「高齢者を守るため・・・」という一見優しく実は虚しい言葉が、彼らの口からよく聞こえてくるからだ。

私もアラ古希といわれる世代で立派な高齢者だ。仕事といえばこんな駄文を書くことくらいでなんら社会貢献もしていない。常日頃から「こんな高齢者を助けて何になる」と思う。敬老の日を作った背景も政治家による得票策だったらしいが、非常時でも敬老などと考えているようでは「国破れて老人ばかり」になる。

命の重さはみな平等だとしても、長さは年齢と共に短くなることは誰でも知っている。ウイルス禍に打ち勝つには年齢トリアージを実施すべし。そして、こうした非常時には「中年までの女性と子供を優先して救うこと」、次は労働生産性も生殖能力も高い「若い世代の男性、中年の男性」の順とすべきだ。翻って高齢者は若く見せようなどと日頃から見栄を張らず、非常の時は「どうぞお先に」と若い人に道を譲り、お迎えを待つ覚悟を持つべし。

医師会も「医療崩壊する前に、高齢者の治療は後回しにします」とくらいいったらどうだろう。せめて安楽死や尊厳死は早く法制化してもらいたいものだ。そうか、政治家はみな見栄張る高齢者だったか。

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