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Vol.22033 エディンバラにおけるオミクロン株の状況について

医療ガバナンス学会 (2022年2月7日 06:00)


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北海道大学医学部医学科
金田侑大

2022年2月7日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

「来週末はどこの国に行く~?」

上のような会話が普通に繰り広げられているのがイギリスの現状です。ヨーロッパでは格安航空を使えば、片道1万円を切る値段で他のヨーロッパ諸国を巡ることが可能であり、多くの留学生が週末の海外遠征を楽しんでいます。これは、デルタ株が流行していた先学期(9~12月)では見られなかった特徴です。

挨拶が遅れてしまいました。北海道大学医学部4年で、現在イギリスのエディンバラ大学に留学させていただいています、金田侑大です。今回も、こちらの2022年2月現在におけるオミクロン株の状況を共有させていただきたいと思います。

結論から申しますと、オミクロン株への感染については、”誰も気にしてない”と言うのが率直な感想です。先月18日、スコットランド政府スタージョン首席は、ブースター接種の拡大や、感染者数が約2週間減少し、先月第一週で感染がピークアウトしたと考えられることなどを理由に、緩和策を発表しました。これにより、集会や飲食における規制が解除され、また、症状がない場合の検査は従来のPCR検査でなく、ラテラルフロー検査(抗原検査)のみで可能となりました。現在も継続されている規制としては、交通機関や公共施設におけるマスクの着用義務ぐらいです。加えて、2月11日より、イギリスへ入国する際の規則も変更され、ワクチンを2回接種済みの方は、到着後の検査受検が不要に、接種していない方でも、到着後の隔離、及び、到着後8日目の検査受検も不要になります。これにより、パッセンジャー・ロケーター・フォームの入力と、ワクチン接種証明書の取得が完了すれば、ワクチン接種を既に完了している方は気軽にイギリスに入国することができるようになります。実際、まだpeer-reviewはされていないものの、オミクロン株における入院リスクはデルタ株の2/3以下であるとの研究報告も、私が通っているエディンバラ大学から発表されています。
( https://www.pure.ed.ac.uk/ws/portalfiles/portal/245818096/Severity_of_Omicron_variant_of_concern_and_vaccine_effectiveness_against_symptomatic_disease.pdf#page=26 )

そのため、このような規制緩和が現在、フランスやデンマークなど、ヨーロッパ各国で進んでいます。こちらの大学でできた友達のインスタグラムを見てみると、週末はイタリア、フィンランド、アイスランドなど、各地の観光地のイケてる写真が投稿されています。授業はどうなっているかと申しますと、エディンバラ大学では講義の多くがpre-recordedと言って、いつ、どこにいても、パソコンやスマホから視聴できるようになっています。分からない部分は何度も見返すことができるため、留学生の自分は特に、勉強しやすいなと感じています。チュートリアルや実験、ラボワークは少人数の対面形式で行われるため、友達ができない、教授に質問ができないなどといった悩みも特にありません。

もし、検査で陽性反応が出た場合、10日間の隔離措置がとられます。ただし、熱がなく、6,7日目に24時間の間隔を設けた抗原検査で陰性となった場合、7日目に隔離は解除されます。とはいえ、検査結果が出るまでの間は通学なども可能であったりと、そこまで厳格な印象は受けません。検査で陽性が判明すると、国民健康サービス(NHS)の担当者からの電話、もしくはオンラインの質問票に答える形式での追跡調査が行われ、濃厚接触者の有無などが確認されます。また、その際に、隔離期間の指導や薬の受け取り代行、メンタルヘルスに関するサポートなどを受けることも可能です。その後もNHS Track&Traceから、3~4日に1回のペースで体調と、引き続き自己隔離をしているかの確認、自己隔離解除の条件と解除日のリマインドのための電話がかかってくることになります。以前の記事でも書かせていただいたように( http://medg.jp/mt/?p=10591 )、感染者に対するサポートなども手厚いことが、国民のコロナ感染に対する意識に大きく影響しているように思います。

しかしながら、駐日英国大使館は”英国は現在欧州で最も自由な国境と開かれた経済を持つ国”だと称している一方で、前回の記事( http://medg.jp/mt/?p=10658 )でも書かせていただいたように、日本人留学生は帰国などの面で、引き続き不利な状況にあることは変わりません。せめて、回復証明を帰国時の提出書類として認めて下されば、と、歯痒い思いを感じます。とはいえ、このような状況で国外に送り出してくださり、貴重な経験をさせていただいていることも事実です。引き続き感染には気をつけつつ、こちらで過ごせる残り半年ほどを、最大限楽しく使っていきたいと思います。

【金田侑大 略歴】
フラウエンフェルト(スイス)出身。母は日本人、父はドイツ人。私立滝中学校、私立東海高等学校を経て、現在は北海道大学医学部医学科4年に在学中。2021年9月よりイギリスのエディンバラ大学に留学し、医療政策・国際保健を学んでいる。最近バドミントンをはじめました。

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