最新記事一覧

臨時 vol 310 インフルエンザワクチンで医療現場が崩壊?

医療ガバナンス学会 (2009年10月28日 04:47)


武蔵浦和メディカルセンター
ただともひろ胃腸科肛門科
院長
多田 智裕
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臨時 vol 309 新型インフルエンザワクチンの接種回数:欧州の判断

医療ガバナンス学会 (2009年10月27日 04:46)


東北大学大学院感染制御・検査診断学分野講師
厚生労働大臣政策室アドバイザー
森兼啓太
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臨時 vol 308 旧来の手法を覆した足立信也政務官のファインプレー

医療ガバナンス学会 (2009年10月27日 04:45)


細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会
事務局長
高畑紀一
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臨時 vol 307 「「自己血輸血看護師制度スタート(2)」

医療ガバナンス学会 (2009年10月26日 04:43)


     ~設立を機に安全性・信頼性を高める取り組みを強化~」
   (医師会員制オンラインジャーナル「MTpro」8月11月掲載記事より)
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臨時 vol 306 「「自己血輸血看護師制度スタート(1)」

医療ガバナンス学会 (2009年10月25日 04:42)


     ~安全性・信頼性を担保する輸血スペシャリストに~」
   (医師会員制オンラインジャーナル「MTpro」8月10月掲載記事より)
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臨時 vol 305 新型インフルエンザワクチンは、何回打てばいいのか?

医療ガバナンス学会 (2009年10月24日 04:41)


東京大学医科学研究所
先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門
上 昌広
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臨時 vol 304 「リセット禁煙のすすめ(8)」

医療ガバナンス学会 (2009年10月23日 04:40)


         「秋-2」& デューラとは
トヨタ記念病院禁煙外来 磯村毅
リセット禁煙研究会代表  予防医学で医療崩壊を緩和する会発起人
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臨時 vol 303 『友愛』こそがインフルエンザ感染拡大を防ぐ

医療ガバナンス学会 (2009年10月22日 06:38)


有限会社T&Jメディカル・ソリューションズ代表取締役
AFP(日本FP協会認定)、医学博士
木村 知(きむら とも)
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臨時 vol 302 マンガなら伝わる。がん患者さんに知ってもらいたいこと 

医療ガバナンス学会 (2009年10月21日 11:21)


NPO法人ライフボート
理事長
大久保幾久美

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臨時 vol 301 新型インフルエンザA(H1N1)のワクチン接種回数に関する意見 

医療ガバナンス学会 (2009年10月21日 11:19)


10月16日に発表された新型インフルエンザA(H1N1)ワクチンの臨床試験中間報告、および同日行なわれた専門家会議での合意事項に対して、以下に私見を述べる。
本試験は20歳から59歳までの200名の健常成人を対象に行なわれた。15μg1 回接種群で、HI 抗体価40 倍以上の人が96 人中75 人(78.1%)おり、そのほとんどが接種前に比べて抗体価が4倍以上上昇している。日本のワクチンと同様の成分を含有するオーストラリアCSL社のワクチンを使用した臨床試験でも、15μg1 回接種群で、120人中116人に抗体価40倍以上が得られている1]。従って、健常成人では国産ワクチンの1回接種で十分な抗体価上昇を得ることが期待できると考えるのが合理的である。
これ以外のことに関しては、本試験の報告からは一切導き出すことができない。基礎疾患を有するもの、妊婦、19歳以下の児童・生徒・学生などについては、別途臨床試験を行なった上で接種回数を決定する必要がある。
妊婦においては同種移植片である胎児胎盤系を母体からの免疫機構から逃れて発育させるための免疫低下に関する研究が進んでいる。高桑らによれば、黄体ホルモンやヒト絨毛性ゴナドトロピンなどの免疫抑制作用、およびTh1とTh2バランスの変化による細胞性免疫の低下(=ウイルス感染に対して不利に成りやすい)などが知られている2]。
若年者において多数の接種回数が必要なことは今更述べるまでもない。季節性ワクチンでも小児に対する適切な接種回数は2回であり、今回の新型インフルエンザワクチンでも多くの国で小児を2回接種としている。1回接種となる(であろう)健常成人との境目をどこにおくかは非常に難しい判断になるが、少なくとも現時点では本研究で対象になっていない19歳以下については何も言えない。
専門家会議での合意事項とされる「健常成人は過去のインフルエンザ感染によってH1N1にもプライミングされていた」は、今回の研究結果にもとづく推論として妥当である。しかし、「中学高校生は過去のインフルエンザ流行状況からすると同様にH1N1にもプライミングされている」は、全くの憶測にすぎず、データがない。若年者を対象としたスタディは、採血への同意が得られにくいなどの理由で行ないにくいという可能性はあり、実施は困難かもしれない。そうであれば、その旨を公表すべきである。
いずれにせよ16日の会議での結論は拙速で非科学的だと考える。専門家が出す結論としては理解できない。できるだけ多くの人にインフルエンザワクチンを供給すべきであろうが、医療従事者に次いで最優先で接種が行われる基礎疾患のある者や妊婦への接種回数が不十分だったために、十分な免疫がつけられないことになっては、本末転倒である。さらに、児童・生徒・学生に接種が始まるのは1月ごろになると予想されている。なぜ今、これらの者への接種回数を性急に決定する必要があるのだろうか。
なお、わずか200名程度の被験者では、副反応の頻度に関する評価を行なうことは不可能である。一方で、2例に認められている接種後有害事象は、1例目は喘息発作、2例目は接種と無関係であると考えられ、本ワクチンの接種を広く行なうことを直ちに中止することを検討すべき状況にはない。むろん、本日から始まる医療従事者への接種に伴う副反応などの情報は継続して収集すべきであり、逐一公表・解析すべきである。

1] Greenberg ME, et al. Response after One Dose of a Monovalent Influenza A (H1N1) 2009 Vaccine. N Engl J Med 2009;361 Epub Sep.10
2] 高桑好一. インフルエンザ流行時における妊婦への対応 化学療法の領域 2009;25:2082-86.

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